メキシコ洪水:診療と援助物資の配布

2007年11月21日掲載

メキシコ南部のタバスコ州で発生した洪水に対応するため、国境なき医師団(MSF)はチームを動員し、最も弱い立場にいる人びとを援助するため活動を続けている。MSFの援助は、フロンテラ、ビジャエルモサ、ナカフカの各地で最も援助が不足している被災者に焦点を当てている。メキシコ政府当局の救援活動は迅速に行われており、MSFはメキシコ赤十字社の保健部門と地域レベル、全国レベルで連携している。また数百人にのぼるメキシコ人ボランティアがMSFの活動を支えている。

MSFの援助は、ビジャエルモサの北に位置する人口1万5千人の町ナカフカに集中している。洪水で大きな被害を受けた低地に住む農民と日雇い労働者を援助するため、チームが現地入りしている。11月12日には、医師と看護師が約100人の診察を行った。最も多い病気は皮膚感染症と呼吸器感染症である。

飲料水の調達は依然として深刻な問題である。逼迫した生活条件による感染症のリスクを下げ、流行を抑えるため、MSFのチームは8千リットルの水を配給し、衛生キット400セットを配布した。また、11月15日時点で未だに簡易シェルターで暮らしている家族に対しては、合計で調理キット400セット、毛布400枚、マットレス125枚を配布した。洪水発生から10日が過ぎ、避難した家族は帰宅できるようになるまで水位が低下するのを待ち続けている。MSFは、さらに2600家族を対象にした物資の配給を行っている。

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ビジャエルモサ:地区によっては今も水没が続く

ビジャエルモサ全域で水位は下がりつつあるが、市街地中心部では今も2メートルを越える水に沈んでいる地域がある。中でもガヴィオタ地区は最も深刻な被害を受けている。数世帯が建物の2階に避難し、自分たちの備蓄とメキシコ軍の配給に頼って生活しているほかは、人の姿は全くない。大半の住民は付近の簡易シェルターに避難している。このため、MSFは被災者向けに1万リットル分の飲料水が入る貯水タンクを設置した。

フロンテラの孤立した集落に向けた医療・物資運搬面の援助

沿岸部の町フロンテラでは未だに水位が下がらず、いくつかの集落は外部から孤立したままである。MSFの医療チームはこの町の状況調査に赴き、市当局による飲料水の配給に参加した。

メキシコ政府の大規模な救援活動、そして水位の低下が進んでいることを考慮すれば、状況は遠からず正常に戻ると思われる。保健当局は疫学的監視体制を取り、A型肝炎、はしか、破傷風の集団予防接種を開始した。

MSFのチームは、今後数日間ナカフカとフロンテラの他の地区で移動診療を続ける予定である。また、不衛生な状態と質の悪い飲料水が引き起こす感染症の流行を抑えるため、これらの地区において飲料水、衛生キット、蚊帳の配布も続ける。

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