発症すれば数時間で死に至ることも……猛威を振るうコレラ 感染予防に希望の光

2018年09月11日掲載

コレラ患者は1日25リットルもの水分を失うこともあるコレラ患者は1日25リットルもの水分を失うこともある

ニジェール南部でコレラが流行している。現地保健省によれば、7~8月に確認された症例数は2283件に上り、42人が亡くなった。コレラが事実上の”季節病”となっているニジェールでも、今回の流行は大規模なものとなっている。

国境なき医師団(MSF)は、専用の治療センターを南部マラディ県内10ヵ所で地元保健局と共同運営し、これまでに1663人を治療した。 

水を塩素消毒するスタッフ水を塩素消毒するスタッフ

コレラは感染力が強く、コレラ菌に汚染された水や食べ物を通じて感染すると激しい下痢や嘔吐(おうと)を引き起こし、治療を受けなければ脱水症状で数時間以内に命を落とすこともある。特効薬はないため、抗菌薬で感染を抑えながら、経口補水液で水分と電解質を補うのが一般的だ。

コレラの感染を断ち切るためには、飲み水の消毒や建物の除染、保健教育が有効だとされてきた。しかし近年、これらの対策に加え、ワクチンの予防接種が感染抑止策として注目を集めている。 

経口コレラワクチンは感染制御に効果を発揮する経口コレラワクチンは感染制御に効果を発揮する

「効果が高く、身体への負担も少ないうえ、投与しやすいワクチンです」そう話すのはMSFの予防接種専門家、アンヌ=マリー・ペグ。「近年、MSFのコレラ緊急対応には予防接種を取り入れており、感染対策への有効性が分かっています」 

ワクチン接種の効果は、今回の流行を封じ込めるだけではない。「この地域での感染を食い止めることに加え、今後コレラ流行を発生させない効果もあります」MSFの医療コーディネーター、フーラ・サスー・マディ医師はこう説明する。

人びとをコレラ菌から守り、1人でも多くの命をつなぎとめるために——コレラワクチンに寄せられた期待は大きい。

MSFのコレラ治療センターMSFのコレラ治療センター

今回のコレラ流行は、ナイジェリア国境沿いに位置するマダルーンファ地区を発生源に、人口30万人を超える中核都市マラディなど周辺地域にも及んだ。

MSFはマラディ県ンイェルワ、ダン・イッサ、マダルーンファ、ティビリ、チダファウア、マラカ、ギダン・バッソ、サルキン・ヤンマの9ヵ所でコレラ治療センター(CTU)を、サフォでコレラ治療ユニット(CTU)を運営している。 

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