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ミャンマー:HIV/エイズ・結核対策に資金援助が急務

2012年02月23日掲載

ミャンマーで国内最大規模のHIV/エイズ治療を提供する国境なき医師団(MSF)は、HIV/エイズおよび多剤耐性結核(MDR-TB)*に感染した患者の治療が国内で圧倒的に不足し、国際社会からの支援が急務である現状を訴える。


ミャンマーにあるMSFのクリニックで、投薬治療を受けるHIV陽性の男性患者。
ミャンマーにあるMSFのクリニックで、投薬治療を受けるHIV陽性の
男性患者。

MSFが本日発表した報告書『ミャンマー:HIV/エイズ・結核患者に迅速な治療を』 では、ミャンマーで抗レトロウイルス薬(ARV)治療を緊急に必要とするHIV感染者8万5000人が治療を受けられずにいる現状を明らかにしている。また、国内で毎年新たに多剤耐性結核に感染する推定9300人のうち、現在治療を受けているのは、そのうちわずか300人余りである。

途上国でのHIV/エイズや結核などの疾病対策に向けた資金拠出を行う「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)」は2011年、深刻な財政難のため、第11次の新規案件募集を中止した。これは2014年までHIV/エイズや結核の治療拡大に向けた資金拠出の確約がなされないことを意味する。同時に、ミャンマー国内のHIV/エイズや結核治療の提供においても、深刻な影響を及ぼすことが予測される。

ミャンマーにおけるMSFの活動責任者、ピーテル・ポール・ド・フロートは語る。「今回もまた、資金拠出者はHIV/エイズや結核患者に背を向けたのです。私たちは、この決定がもたらした患者の症状悪化や避けられたはずの死に、日々直面しています」

ミャンマーでは、毎年HIVに感染した1万5000人から2万人が、必要な治療を受けられずに命を落としている。また、同国の結核の有病率は世界平均の3倍以上であり、多剤耐性結核の有病率が世界で最も高い27ヵ国のうちの1つである。多剤耐性結核は耐性のない結核と同様、飛沫感染によって健康な人でもかかる可能性があるが、治療ははるかに複雑であり、長期にわたる治療が必要である。

東南アジアで最も開発が遅れているミャンマーは、政府開発援助(ODA)支援額が世界で最も少ない国の1つである。しかし、国際社会がこの国の政治改革に広範囲にわたり関与する中、HIV/エイズおよび結核の治療拡大を資金拠出者の最優先事項に入れる好機が現実に訪れている。

とはいえ、ミャンマーの医療制度は資金不足に悩まされている。保健予算の増額に向けた取り組みをMSFも後押ししているが、包括的な医療制度がゆきわたるまでには時間がかかる。ド・フロートは続ける。「HIV/エイズと結核の治療を今すぐに拡大することができれば、感染の予防につながり、失われる命と、医療にかかる費用も最小限に抑えられます。理屈は明解です。この国でより多くの患者がHIV/エイズと多剤耐性結核の治療を受けられるよう、資金拠出者による支援が非常に重要です」。

MSFは現在、2万3000人以上にARV治療を提供しており、2012年にはMSFの診療所で新たに6000人を受け入れる予定である。

*多剤耐性結核(MDR-TB):通常の結核治療が6ヵ月で済むのに対し、多剤耐性結核の治療は2年を要する。その間、患者は重い副作用を伴う多くの薬を服用しなければならない。

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