インド:マラリアが急増するムンバイで援助活動を実施
2010年08月20日掲載
国境なき医師団(MSF)は、インドのムンバイでマラリア患者が急増しているのを受けて、現在、ムンバイの保健当局のマラリア対策を支援する活動を実施している。
マラリア感染者が著しく増加
すでにムンバイにおけるHIV治療プログラムで活動しているMSFのチームが、8月18日から同市内の64ヵ所の医療センターに10万組の診断キットと3700組の治療キットを提供する。また、医療センターのスタッフを対象にマラリアの診断と治療に関する研修を行う予定である。
MSFは保健省の要望に応え、マラリアの中で最も致死率が高く、ムンバイでは全感染者のおよそ10~15%を占める熱帯熱マラリアの治療を強化している。MSFが提供する診断テストは、患者が感染しているマラリアの種類を効率的に特定することができる。
ムンバイで最も被害の多い地域には、50万人が暮らしている。この地域では、2010年の前半6ヵ月間に1万4724人の感染者が報告されているが、これは昨年1年間に報告された感染者数にほぼ相当する。つまり感染者が著しく増加していることを示している。
技術や専門知識をムンバイ当局と共有

MSFがもつ技術や専門知識をムンバイ当局と共有する
ための会合。
ムンバイにおけるMSFのプログラム責任者、ティアゴ・ダル・モリンは語る。
「昨年、MSFは30ヵ国で100万人以上のマラリア患者の治療に成功しました。私たちがもつ技術や専門知識をムンバイ当局と共有できることを嬉しく思います。医療従事者が正確な診断を行い、患者が適切な治療を受けられるようにすることは極めて重要です。私たちが提供する診断テストは、信頼性が高く、簡単に使え、たった1滴の血液で結果を知ることができます」
診断方法と治療方法が改善されているにもかかわらず、マラリアはいまも世界で毎年ほぼ100万人の命を奪っている。
大雨がマラリア急増の原因と予想
援助活動を指揮しているMSFのサンジャナ・マウルヤは語る。
「マラリアは感染した蚊によって媒介されます。通常、淀んだ水のある場所が絶好の蚊の発生地です。最近ムンバイで降った大雨が、現在のマラリアが急増している原因と考えられます」
モリンは付け加える。
「最も弱い立場にある人の中には、ムンバイに出稼ぎに来ている建設作業員がいます。彼らは、大雨が降ると多くの水溜りができる建設現場の近くで、しばしば寝泊りしています」
関連情報
- 2012年1月24日
- インド:「赤い森」に医療を届ける―レベッカ・カスバート医師の手記(その2)
- 2012年1月23日
- インド:「赤い森」に医療を届ける―レベッカ・カスバート医師の手記(その1)
- 2011年11月16日
- インド:最善のカラアザール治療法を求めて―カラアザール治療に携わる医師のインタビュー
- 2011年11月16日
- インド:ビハール州におけるカラアザールとの闘い
- 2011年9月8日
- インド:「途上国の薬局」の危機、製薬会社が特許法に対し訴訟















