スーダン:医療援助の一部中断を受け、医療活動の尊重を要求
2010年08月09日掲載
スーダン南部、ジョングレイ州の遠隔地にある診療所の一つで、安全にかかわる事件が3度にわたり発生したことを受け、国境なき医師団(MSF)によるグムルクでの活動はすべて休止に追い込まれた。なお、ジョングレイ州を含め、スーダン国内にある他のMSF医療施設はすべて通常どおり運営されている。
医療活動の中立性を尊重するよう訴える
MSFは、人命にかかわる援助活動を必要とする人びとのもとへ迅速に届けるために、スーダン南部のすべての武装勢力、住民、政党に対し、MSFの医療スタッフ、その活動および医療施設の中立性を尊重するよう訴える。
MSFのスーダン南部における活動責任者ロブ・モルダーは、次のように話す。
「MSFのスタッフや診療所に対する攻撃のために、現地で不可欠な医療援助活動ができなくなりました。患者のもとに赴くことを妨げ、スタッフを危険にさらす、このような攻撃は断じて許されるものではありません」
武装集団が医療物資を略奪
MSFは、ジョングレイ州のピボールの町で一次医療施設を運営している。また、そこからさらに遠隔のレクウォンゴルとグムルクの2ヵ所に、小規模な診療所を開いている。これらの地域には、飛行機か、現在のような雨季に限りボートを使って入るほか、交通手段がない。
7月1日、グムルクの診療所に武装集団が押し入り、重度栄養失調児の治療に用いるそのまま食べられる栄養治療食(RUTF)が入った箱を奪っていった。3日後の7月4日にも再度、治療食が医療器具とともに奪われた。同月27日には、ピボールからグムルクにボートで移動していたMSFスタッフ4人が、武装した男たちの略奪にあった。
モルダーは語る。
「私たちが、グムルクの地域住民に十分な救急医療を提供しようとしたとしても、診療所でのすべての活動を中断し、現地を離れるほかありませんでした」
治安悪化のため患者の搬送が不可能に
グムルクの診療所では、3万人以上の地域住民を対象に、診察や栄養失調の治療、産前医療や予防接種などの基礎的な医療を提供している。複雑な症状で入院を要する患者は、ピボールにあるMSFのより大規模な診療所に搬送し、さらに手術を要するような重症者は、MSFの飛行機でボマの病院、またはスーダン南部の中心都市ジュバの病院まで搬送する。
スーダン南部の医療コーディネーターであるグバネ・マハマは話す。
「グムルクの診療所では、これまでに160人以上の栄養失調児が治療を受けました。加えて、毎週新たに20人の重度栄養失調児が訪れる状況です。しかし、グムルクに安全に入れるよう状況が改善されない限り、閉塞性分娩の女性、脳性マラリアや輸血を必要とする重度の貧血の子どもを含めた、入院や手術を要する患者の搬送はできません」
ピボール町内にある保健省の小さな施設を除いて、MSFはこの15万人が住む地域で唯一の一次医療の担い手である。周辺の村々は町から遠く、道路が交通不可能なことも多い。
MSFは1979年からスーダンで活動している。医療を受ける機会が乏しい上に、洪水、干ばつ、感染症の流行、そして武力紛争や食糧危機に苦しむ人びとに、無料の医療を提供してきた。
現在は、診療所と病院をスーダン国内の10州で運営している。州名は下記のとおり。ワラップ州、ジョングレイ州、上ナイル州、ユニティ州、バハル・エル・ガザル州北部、西エクアトリア州、中央エクアトリア州、南コルドファン州アビエイ、紅海州、ゲダレフ州、北ダルフール州。
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