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アフガニスタン:ヘルマンド州における救急医療を強化

2010年07月14日掲載

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アフガニスタン

ヘルマンド州に住む100万人の人びとは、連合軍・アフガニスタン国軍と、さまざまな反政府勢力との間で続く戦闘に苦しんでいる。国境なき医師団(MSF)は2009年11月以来、ヘルマンド州の州都ラシュカルガにあるブースト病院を支援しているが、現地における緊急医療援助へのニーズは現在も極めて高い。


救急処置室の機能強化で、戦争による負傷者の受け入れが増加

ヘルマンド州におけるMSFプログラム責任者のフォルカー・ランカウは語る。
「救急処置室が開いていたのは午前中の4時間だけで、その時間を過ぎると、患者は病院本棟の入院部門へ行かなければなりませんでした。医薬品と使用できる設備も大幅に不足していました」

近頃、救急処置室の機能を強化したことで、戦争に関連する負傷者の受け入れが増えている。過去4年にわたってブースト病院で外科医として活動しているカリド・ラーマン医師は、現在、救急処置室で週2日の交代勤務についている。今朝は2人の看護助手とともに、2時間だけで31人の患者を診察した。ラーマン医師は語る。
「交通事故や家庭内の事故で重傷を負った人たちは言うまでもなく、私たちは時に、1日に4、5人の戦争による負傷者を治療することがあります。ラシュカルガは危険な場所ですが、私たちは病院への武器の持ち込みを許しません」

無償治療が紛争被害者の負担を軽減

40歳のアーシフ*は、マルジャ地区から妻と生後10ヵ月の娘をつれて病院へやってきた。

*患者と家族の安全保護のため、仮名を使用(以下同)。

泣き叫ぶ娘の抜糸を行うカリド医師を見守りながら、アーシフはこう説明する。
「妻と子どもは、マルジャの近くを車で移動中に銃火を浴びました。妻は脚を撃たれ、娘は脚と腰に銃弾を受けました。2人はブースト病院にすでに1ヵ月も入院しており、今日、娘は抜糸をしました。やっと自宅に戻れます。まだこんなに痛い思いをしているわが子を見るのは耐えられません」

アフガニスタン南部に残っている公立基幹病院はわずか2ヵ所に過ぎず、ブースト病院はその1つである。つまり、緊急の医療ケアを必要とする人びとは、それを受けるために大きな危険を冒し、多額の交通費を負担しなければならないことになる。アーシフは語る。
「多額の交通費が必要でしたから、家族が無償の治療を受けられることで救われる思いがしました」

緊急の手当てのあと、経過観察や専門的処置へ


カリド医師から縫合処置を受けるナイール。

別のベッドに横たわっているのは、ラシュカルガ郊外で農業に従事していた40歳のナイール*である。男たちのグループに襲われて頭部に深い傷を負い、ほとんど意識がない。カリド医師から深い切り傷への縫合処置を受けたあと、着替えとして新しい衣類を与えられる。そして、病院の入院部門に移され、数日間にわたって経過観察が行われる。

特に紛争地における緊急対応は、病院のサービスの重要な一部である。MSFプログラム責任者のフォルカー・ランカウは強調する。
「24時間体制の最前線です。まず患者の容体を安定させ、緊急の手当てをします。それから病院のほかの科に移したあと、経過を観察したり専門的処置を行います」

2010年5月以来、4000人を超える患者がこの救急処置室で診察を受けている。


MSFはアフガニスタンでの援助活動を、いかなる政府あるいは資金拠出機関からの助成金も受けずに、一般市民からの寄付金のみで運営している。MSFは現在、ヘルマンド州の州都ラシュカルガにあるブースト州立病院に加えて、カブール市東部にあるアーメッド・シャー・ババ地区病院で現地の医療体制を支援している。両地域におけるMSFの目的は、命を救う無償の医療を、効果のある薬を用いて、産科、小児科、外科、救急医療などすべての医療分野で提供することである。

MSFは2010年に、アフガニスタン国内他地域の病院や地域診療所に、支援を拡大する予定である。

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