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髄膜炎:WHOが新しい低価格のA型髄膜炎ワクチンの効果を承認

2010年07月09日掲載

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世界保健機関(WHO)は6月、新しい低価格のA型髄膜炎ワクチンが安全で効果的であることを正式に承認した。サハラ以南アフリカ地域の髄膜炎が流行する「髄膜炎ベルト」と呼ばれる地帯で、髄膜炎に感染する恐れのある4億3000万人をこの病気から救う効果が期待されている。一方で、国境なき医師団(MSF)は、切実に必要とされているこのワクチンを十分に普及させるには、十分な資金をいかに動員できるかにかかっていると警告する。


アフリカの髄膜炎ベルト(グリーン部)。
アフリカの髄膜炎ベルト(グリーン部)。[Control of epidemic meningococcal disease,
WHO practical guidelines, World Health Organization, 1998, 2nd edition, WHO/EMC/BAC/98.3]

髄膜炎ベルト地帯の4億3000万人を髄膜炎から救う効果に期待

MSFの医療アドバイザー、キャシー・ヒューイスン医師は語る。
「この新しいワクチンは、新たな可能性を開くものです。MSFは2009年に700万人以上にA型髄膜炎の予防接種を行いましたが、これまで私たちの活動はこの病気の流行を遅らせ、終息させるための緊急対応にとどまっていました。既存のワクチンは予防効果が持続する期間が非常に短いため、MSFが行う対応の効果も限定されています。今回の新しいワクチンは、従来のものよりも予防効果が4倍も高く、10年間持続します。今後の髄膜炎流行の予防における大きな転機となるでしょう」

この新しいワクチンの開発は、医学的な意義に加えて、ワクチン開発における革新的なモデルが有効であることの証でもある。WHOは米国の非営利団体PATH(the Program for Appropriate Technology in Health)と協力して、医学的ニーズと最終製品を手の届く価格にすることを、ワクチン開発過程の中心に位置付けた。インドの後発医薬品メーカー、セラム・インスティチュートが開発パートナーとなり、ワクチンを1回の接種あたり0.4米ドル(約35円)で開始できる協定価格で生産することとなった。

MSFの必須医薬品キャンペーンのディレクター、ティド・フォン・シェーン・アンゲラー医師は次のように話す。
「これは、従来の特許をベースとした利益第一のモデルからの大きな変革です。このワクチンの開発業者は、製品を途上国の医療ニーズに合わせ、手の届く価格に抑えることに成功しました。大手製薬会社が開発する、欧米市場向けの途上国のニーズを考慮していない非常に高額なワクチンとは、全く対照的なものです」

ニーズの高い22ヵ国でのワクチン普及の鍵は資金調達

マリ、ブルキナファソ、ニジェールの3ヵ国は、今年の秋からGAVIアライアンス(ワクチン予防接種世界同盟)およびWHOの支援のもと、髄膜炎の集団予防接種を開始する予定である。しかし、次の段階として、髄膜炎ベルト地帯の国々で、この病気の危険にさらされている人全員にワクチンを接種する必要がある。

WHOの推定では、ニーズの最も高い22ヵ国にこの新しいワクチンを普及させるには、4億7500万米ドル(約417億円)の費用がかかる。この資金調達をどこが主導し、これらの対象国がどの程度費用を負担できるのかが、目下の課題である。

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