ニジェール:繰り返される栄養危機への対応
2010年07月08日掲載

ニジェールの人びとは、またもや厳しい食糧難に直面している。2009年は降雨量が異常に多かったため、作物の収穫に大きな影響が出た。今年の初めには食糧危機の最初の兆候が見られ、備蓄食糧が例年よりも早く底をつき、各地の村から大勢の若者が、仕事を探すために都市部や外国へと向かった。
統計から見える栄養危機の問題
現在、ニジェールが再び栄養危機に瀕していることは間違いないが、この5年間で、急性栄養失調児への治療体制は大きく変化した。2005年以降、機能的な治療センターの数が増加し、政府はより効果的な新しい治療法を採用している。
しかし、ここ数年間の栄養治療センターへの受け入れ件数を見ると、ニジェールの栄養危機の問題は繰り返し起きていることがわかる。今年の5月から6月にかけて行われた栄養調査*によれば、現在、生後6ヵ月から5歳までの子ども45万5000人が急性栄養失調に苦しんでおり、そのうち8万6800人は重度栄養失調である。つまりニジェールでは、この年齢層の子ども全体のうち、3.2%を重度栄養失調児が占めていることになる。最も影響を受けているのは乳幼児であり、生後6ヵ月から35ヵ月までの子ども全体のうち4.6%が重度栄養失調である。
*ニジェール政府国立統計研究所保健省栄養局による「生後6ヵ月から59ヵ月までの子どもの栄養・生存調査」(2010年5月-6月)
政府や現地NGOと連携し支援を展開

MSFが支援する集中治療センターで治療を受ける栄養失調児。
(2008年11月撮影)
国境なき医師団(MSF)は、ニジェールで繰り返される栄養危機に2001年から対応しており、2009年には、MSFの支援する栄養治療センターで8万6000人の栄養失調児が治療を受けた。今年に入って、MSFとそのパートナーである現地のNGO「ニジェール健康フォーラム(フォルサーニ)」および「ニジェール女性と子どもの幸福(バフェン)」は、重度栄養失調患者の増加が予測されることを受け、受け入れ態勢をさらに充実させている。
現在MSFは、マラディ、タウア、ザンデールの3県で、外来栄養治療を受けられる国営の総合診療所57ヵ所を、直接またはパートナーを通して支援している。今年の1月から6月までで、5歳未満の重度栄養失調児4万3633人をこれらの診療所で受け入れた。さらにMSFは、集中(入院)栄養治療センター(ITFC)7ヵ所も支援しており、今年の1月以降、合併症を起こしている重度栄養失調児6264人の入院を受け入れた。
年々繰り返される栄養失調からニジェールの子どもたちを守るためには、また医療機関で効果的な栄養治療が行われるようにするためには、治療を行うと同時に、予防活動を一層充実させる必要がある。今年、MSFはニジェール政府と協力して、幼児を重度栄養失調から守り、死亡率を下げるために、幼児向けのそのまま食べられる栄養治療食(RUTF)を配布する予定である。
MSFは、1985年からニジェールで活動している。子どもたちへの栄養治療に加えて、マラディ、ザンデール、タウア、アガデスの各県の国営診療所や病院で、小児医療と妊産婦医療を支援している。アガデス県では、季節労働者への医療提供にも従事している。また、病気の流行などの緊急事態に対応しているほか、集団予防接種の支援も行っている。
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