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ハーフタイム HIV/エイズ危機は終わらない

2010年06月掲載

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10年前、アフリカでのHIV/エイズ治療は不可能だと言われていました。現在は、抗レトロウイルス薬(ARV)治療によって、最多数の感染者を抱える国を含め、世界中で数百万人もの患者の命が救われています。しかし、闘いは決して終わっていないのです。…… 続きを読む


体感型バーチャルサイト「HALF-TIME – the HIV/AIDS crisis is not over!」

いま、2010 FIFAワールドカップが南アフリカ共和国で開催され、世界中の人びとが注目をしています。しかし、サッカーで盛り上がる一方、この南アフリカ共和国にはHIV/エイズで苦しんでいる多くの人びとがいるのです。そこで国境なき医師団(MSF)では、ワールドカップと同時に少しでも多くの人がHIV/エイズに関心を持ち、理解を深めてもらいたいということから、ケープタウン近郊の広大な黒人居住区、成人の約3人に1人がHIV陽性者のカエリチャ地区を取り上げ、体感型バーチャルサイト「HALF-TIME – the HIV/AIDS crisis is not over!」新しいウィンドウが開きます(以下「HALF-TIME」)としてオープンしました。このサイトでは、まるでカエリチャ地区を本当に訪れたかのように画面が展開し、HIV陽性者、看護師やカウンセラーなどの話を聞くができます。

体感型バーチャルサイト「HALF-TIME – the HIV/AIDS crisis is not over!」の使い方

「HALF-TIME – the HIV/AIDS crisis is not over!」(英語)新しいウィンドウが開きます

ウブントゥ診療所では約6000人の患者がHIVと結核の治療を無料で受けています。ここはアフリカで最も早くからHIVと結核の治療を1ヵ所で受けられるようにした診療所の1つです。
ウブントゥ診療所へ

   

ここでは患者同士で、それぞれが決められた薬を飲む手助けをしています。ARV治療は生涯にわたり続けなければならず、責任も重大なのです。
サポート・クラブへ

新居のために10年間順番待ちを続けていたネリスワは、ようやく粗末な小屋からカエリチャ地区郊外の小さな煉瓦の家に引っ越すことができました。
ネリスワ・ムカリの話

結核はHIVとともに生きる人びとの主な死因です。カエリチャ地区では、国内の他の地域と同様にHIV患者の70%以上が結核に二重感染しています。
看護師と患者の話

   

看護師がHIV患者を治療するための研修を受け、医師の仕事を行うことで、より多くの人びとが治療を受けられるようにするという課題の克服を目指します。
看護師と患者の話

ユース・クリニックでは、より多くの若者がHIVの検査と治療に通いやすいように、日替りの説明会、心理・社会面の支援などが行われています。
ユース・クリニックへ

アンディル・マドンディルは、HIV陽性だと判明したときから、家族もガールフレンドも仕事も失いました。現在、彼は地域におけるHIV/エイズ啓発活動に生涯を捧げています。
アンディルと患者の話

活動地からの声 ―品田裕子、看護師―

HIV/エイズがまん延しているサハラ砂漠以南のアフリカの国々では、結核患者が激増しています。HIV/エイズに感染すると免疫力が落ち、結核などの感染症にかかりやすくなるからです。ここではHIV/エイズと結核、その二重感染、治療現場での問題について、看護師としてウガンダで活動していた品田裕子さんに伺いました。
エイズと結核、まとめてゴールにシュートしよう! ―品田裕子、看護師―

活動をやめる時ではありません

南アフリカ共和国ケープタウン近郊の広大な黒人居住区、人口50万人以上のカエリチャ地区では、成人の約3人に1人がHIV陽性です。南アフリカにおける流行の中心地であるこの国では、実に570万人もの国民がHIV/エイズとともに生き、またその数は世界のどの国より多いのです。

世界規模のHIV/エイズ危機がいまだ終わっていないことは、ここカエリチャ地区を見れば非常に明らかです。世界中では3300万人がこの疾患を抱えており、毎年200万人の命が奪われています。サハラ以南のアフリカ諸国では600万人が抗レトロウイルス薬(ARV)治療を必要としているのですが、命をつなぐためのこの薬が手に入る患者はわずか30%にしか過ぎません。その原因は薬の価格が高すぎること、その国では出回っていないこと、あるいは資金拠出機関の援助による治療が縮小していること、のいずれかにあります。世界中で治療を必要としている900万人の人びとに時間切れが迫っている。そして、患者の大半は治療しなければ3年以内に死に至ります。

国境なき医師団(MSF)は、10年前にカエリチャ地区でHIV/エイズ治療のパイオニアとして活動を開始して以来、南アフリカ保健省と共同して約1万5000人の患者にARV治療を提供し、この疾患と闘う上で効果的で革新的な方法を編み出してきました。HIVと結核の治療を統合し、患者同士で服薬を助けあうといったようなサポート・グループを通じて長期にわたり治療を受けている患者を支えるほか、HIV治療を提供する看護師の研修を行うことによって、カエリチャ地区に暮らすさらに多くの患者が質の高い治療を受けることができ、健康的で前向きに生きられるようになっています。

最近の数年間で集まった巨額の国際援助資金のおかげで、世界のおよそ400万人が命をつなぐためのARV治療を受けられるようになり、またカエリチャ地区と同様、世界各地では過去10年間にHIVと闘う数多くの手段が講じられてきました。しかし現在、国際的な資金拠出機関は、だれもがHIV/エイズ治療を受けられるようにする取り組みから後退の兆しを見せており、薬の必要な何百万人もの患者が置き去りにされようとしています。ARV治療の必要な患者のうち薬を手に入れられるのはその半数に満たないという現状で、この資金拠出機関の後退とHIV/エイズ援助資金の不足によって、過去10年間の治療における進歩が消し去られようとしているのです。

HIV/エイズには緊急な対応が必要ですが、より多くの人びとが長期にわたる治療を受けるためには、今後対応をさらに持続可能かつ拡大していく必要があります。こうした対応がなければ、世界中の何百万人もの人びとが助かる見込みのある病で命を落とすことになるでしょう。闘いが勝利へのハーフタイム(道半ば)にすら至っていないいま、活動をやめる時ではありません。

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