マラウイ:はしかの大流行に対応。集団予防接種と治療を実施
2010年06月08日掲載
マラウイでは今年2月から、過去13年間で最大規模のはしかが大流行している。国境なき医師団(MSF)はマラウイの保健当局とともにはしか患者に治療を提供しており、250万人以上の子どもを対象とする集団予防接種を開始した。しかし、多くの命を危険にさらしているこの深刻な疫病に歯止めをかけるためには、国内および国際的なレベルでのさらなる努力が必要である。
はしかの大流行。マラウイ各地での現状

予防接種を待つ子どもやその保護者。ブランタイヤにて。
マラウイ当局の公式発表によれば、これまでに9000人以上のはしか患者が確認され、44人の死者が出ている。全国28地域のうち23地域ではしかの流行を示す数値が標準値を超えているうえ、流行はさらに新たな地域へと拡大を続けている。
これまでのところ、MSFは発病率が最も高い(一定の期間・人口に対して確認された新規患者の数が最も多い)6地域、ブランタイヤ、チラズル、リロングウェ、マンゴチ、ムジンバ、チョロで活動を集中的に行っている。
MSFは4月以降、マラウイ保健省と連携して8106人のはしか患者に医療を提供し、農村部と都市部の双方において、88ヵ所の病院と診療所を支援してきた。支援の内容は、医療スタッフの補強と研修から、治療や設備の提供に至るまで多岐にわたる。ブランタイヤでは、主要な刑務所の1つではしかが流行していることを受けて、刑務所内の病院に、はしかにかかった囚人専用のベッド数15床の特別ユニットを設置した。
はしかは、世界の子どもや青少年にとって主要な死亡原因となっている。深刻な副作用を引き起こす可能性があるほか、栄養失調の危険性も高めてしまう。
保健省との連携による集団予防接種を開始

ブランタイヤでの予防接種の様子。
流行のさらなる拡大を防ぐために、MSFは保健省とともに各地で集団予防接種を開始した。5月3日から18日の間に、MSFはブランタイヤ、ムジンバ、チラズルの各地域で、生後6ヵ月から15歳までの子ども110万人に予防接種を行った。各予防接種チームは平均で1日あたり1500人の子どもに対応し、ブランタイヤでは初日だけで5万人以上に予防接種を行った。5月10日からは、チョロ郡でも集団予防接種を開始した。保健省と連携しながら、チョロ郡では28万5000人の子どもに予防接種を行う予定である。
リロングウェとマンゴチの両地域では、それぞれ90万人、40万人を対象とした集団予防接種を間もなく開始する予定で準備を進めている。これによって、予防接種の対象となる子どもの数は合計で250万人以上となる見込みである。
また、これらとは別のチームが、はしかの症例が報告されている南西部のマチンガやバラカなど他の地域で状況の調査を続けている。MSFは患者の治療を始め、6月12日にはこれらの地域で40万人を対象に集団予防接種を開始する。
疫病に対するこれからの課題
MSFは、今回の流行が始まる前から外国人派遣スタッフと現地スタッフの補強をすでに行っていた。現在、その大部分がマラウイ人で構成される1300人のスタッフが緊急活動にあたっている。
しかし、これらの努力にも関わらず、マラウイにおけるはしかの流行は、現在非常に憂慮すべき状況にある。そのため、この疫病に効果的に対応して多くの命を救うことができるよう、国内および国際的なレベルで、さらなる設備や人材などの手段を結集する必要がある。
はしかの流行:各地域の緊急事態
アフリカ南部では、マラウイ以外の国もはしかの流行の被害を受けている。ここ数ヵ月にわたり、モザンビーク、南アフリカ共和国、スワジランド、ザンビア、ジンバブエで、はしか患者の数が増加している。
ジンバブエでは、現在の流行が全国62地域のうち55地域に広がっており、384人の子どもが命を落とした。保健省は、国内の生後6ヵ月から14歳までの子ども約500万人全員を対象とした、全国規模の集団予防接種を開始した。MSFは保健当局を支援し、ブヘラとエプワースで治療や予防接種を実施している。
南アフリカでは、政府発表によれば2009年の初めから2010年5月までの間で、国内9州すべてにおけるはしか患者の数は合計で1万4000人を超えた。クワズール・ナタール、ムプマランガなどの州では、毎週報告される新規患者の数が増加している。MSFは、カエリチャで生後6ヵ月から15歳の子どもおよそ10万人を対象とした集団予防接種を支援している。
モザンビークでは、MSFはマラウイとの国境に近い北部地域で行われている集団予防接種を支援している。
スワジランドおよびザンビアにおいては、MSFが国内のはしかの流行状況を注意深く観察している。
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