• English
  • 한국어

RSS

ご寄付に関するお問い合わせ・資料請求は フリーダイヤル 0120-999-199

寄付する

  1. TOP
  2. 活動ニュース
  3. ニュース
  4. ハイチ:引き続き求められる医療援助

ハイチ:引き続き求められる医療援助

2010年05月25日掲載

Bookmark and Share

ハイチ大地震から4ヵ月が経過した。医療へのニーズは、時間とともに変化しながらも依然として大きく、国境なき医師団(MSF)の現地チームは、状況にあわせて内容を変えながら援助活動を継続し、約20ヵ所の診療所および移動診療を通じて、一次・二次医療を無償で提供している。


劣悪な衛生環境のために高まる健康上のリスク

シテ・ソレイユ近郊のショスカル病院の様子。
シテ・ソレイユ近郊のショスカル病院の様子。

ハイチにおけるMSFの活動責任者ステファノ・ザンニーニは次のように語る。
「いまも百万人以上の人びとが、テントやビニールシートの屋根の下で、数ヵ月先がどうなるかも予測できない中、厳しい状況で暮らしています。また、雨が強まっており、被災者が暮らす避難場所は週に何度も洪水に見舞われています」

こうした生活環境のために健康上のリスクが高まっている。現地時間1月12日の地震発生以来、MSFのもとで治療を受けた人は13万7000人にのぼる。現在、一次医療施設では、特にマラリアや下痢などによる水因性の感染症や呼吸器系の病気が見られる。シテ・ソレイユ近郊のショスカル病院では3月末以来、衛生状態の悪い場所で発生する腸チフスの疑いがある71人を治療した。

震災後のさまざまな医療のニーズに対応

ハイチ国内の医療施設の6割が地震で深刻な損壊を受け、または破壊された。MSFは、病院や専門医療施設の運営および運営支援を通じて、二次医療のニーズにも応えるべく活動している。首都ポルトープランスのサン・ルイ病院で診療を行うジョン・プラット医師は説明する。
「震災で負傷し、整形外科手術や再建手術を受ける必要のある患者がいる一方で、オートバイの交通事故や家庭内でのけがなど、日常的な医療ニーズも再び増加しています」

産科の患者への対応も重要度が高い。ポルトープランスのイザイ・ジャンティ医療センターでは、4月だけでも635件の分娩に対応した。うち131件は帝王切開であった。レオガンでは、MSFは514件の手術を行ったが、その大半は産科によるものだった。

MSFは、サン・ルイ病院にハイチ唯一の重度のやけどに特化した診療部門を設置した。3棟のテントに27床のベッドを備えた施設で、小児・成人の重傷のやけど患者を受け入れている。やけど事故の大半は、大家族が身を寄せる仮設住居内で、子どもが家事を手伝う際に起きている。

MSFが設けた3ヵ所のリハビリ治療専門施設では、理学療法や患者への心理的支援、その他のフォローアップサービスが続けられている。同様に、MSFが運営または支援する他の施設でも、入院あるいは通院形式でこうした術後ケアを提供している。MSFは過去4ヵ月間で1万4600人以上の患者に術後ケアを提供した。

心理療法士らは、MSFの医療施設や仮設キャンプなどで、6万9000人の被災者への心理ケアを行った。MSFの精神科医マリヴォンヌ・バルグ医師は次のように語る。
「地震から4ヵ月が経ってもハイチの人びとの多くは、いまも地面が動いているように、地面の揺れる音が常に聞こえるように感じています。また、急性の精神病の症状が現れ始めている人を大勢見ました。人びとの笑顔は地震以前のポルトープランスを思い起こさせますが、その裏には集合的なうつ状態が存在しています。人びとは、この不安定な生活状況が改善するまでには長い時間がかかることに気づいており、落胆しています。しかし、あきらめてはいません」

ポルトープランスの医療施設では、4月の1ヵ月間で、81人の性暴力の被害者の治療を行った。治療では、患者への心理的サポートや、特にB型肝炎の予防接種やHIV/エイズへの感染予防措置を含む医療を提供している。

懸念される雨季・ハリケーンの季節に備えて

雨季が始まり、さらに8、9月はハリケーンの季節にあたるため、MSFは医療活動の拠点をテントから恒久あるいは半恒久的施設へ徐々に移している。たとえばレオガンでは地震で倒壊した病院に代わり、コンテナを利用したベッド数120床の病院の建設を5月上旬に開始した。ジャクメルの病院も大きく損壊したが、外科、産科、内科、小児科部門は半恒久的施設への移動を終えている。MSFが支援する公共医療施設においても、大規模な復旧工事を実施した。

ポルトープランスの周辺地域は、地震の被害は受けなかったが、首都から数十万人の避難者が押し寄せた。MSFチームはゴナイブ、ポールドゥペ、カパイシャン、フォール・リベルテ、サン・マルク、レカイなどの町に赴き、状況確認と医療ニーズの調査を行った。これらの地域では、地震に関連した医療ニーズはなかったものの、農村部では医療を受けることが依然として難しい。調査結果のより詳細な分析の後、MSFはこれらの地域への活動拡大を検討する。

ハリケーンの季節に先立つこと3ヵ月、雨季の到来に伴って緊急医療のニーズが増加し、またポルトープランス、そしてハイチ全土で医療状況の悪化が懸念されている。MSFはこれらに対応できるよう準備を整えている。追加の医療・援助物資の手配は終わり、必要であれば数週間後には利用できるようになる。


 

Bookmark and Share

関連情報

2012年1月12日
ハイチ:大地震から2年――医療施設の受け入れ拡充の取り組み続く
2011年10月25日
ハイチ:「コレラのワクチンは流行を食い止める手立てとなるか?」
2011年10月21日
ハイチ:北県でのコレラ対応を保健省に引き継ぐ
2011年10月21日
ハイチ:大地震の後コレラの猛威に晒されて1年、MSFの援助活動
2011年10月20日
ハイチ:コレラ発生から1年。対策が不十分で人びとの命が現在も脅威に

[ハイチ] に関連した情報を表示

[ハイチ大地震(2010年)] に関連した情報を表示