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コンゴ民主共和国:北東部でも残る多くの課題

2010年05月20日掲載

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コンゴ民主共和国

コンゴ民主共和国(DRC)の北東部にあるオー・ウエレ地方およびバ・ウエレ地方は、2008年後半から暴力と武力紛争の犠牲となってきた。2009年8月から2010年4月までニャンガラで国境なき医師団(MSF)の活動を統括してきたピエール・ケルネンは、この地方の住民がおかれている状況と人道援助の課題について次のように説明している。


Q. ピエール、ウエレ地方での治安は現在どのようになっていますか?

MSFが支援しているオー・ウエレ地方の診療所内の様子。
MSFが支援しているオー・ウエレ地方の診療所内の様子。

A. 治安はいまなお危険な状態にあります。暴行、殺人、武装攻撃、拉致が絶えず起こっています。住民は常に緊張しており、反政府勢力「神の抵抗軍(LRA)」が攻撃するという噂が少しでも立とうものなら、いつでも大挙して避難する構えです。オー・ウエレ地方とバ・ウエレ地方の各地で、ここ2~3ヵ月間に何万人もの人びとが家を追われました。大きな町に避難した人以外は、ほとんど医療を受けられません。MSFの活動地域の一つであるニャンガラでは、50~60kmも離れたところから病院にやってきた人びとに会いました。2010年の最初の3ヵ月間で、ニャンガラ病院の外科チームはすでに150人近くの患者に手術を行っています。これは2009年にMSFが行った緊急手術の数の3分の2にあたります。

Q. 外科以外のMSFの主な活動には何がありますか?

A. 避難民保護地域において、主に医療および心理ケアのプログラムを提供しています。約2万人の住民の半分が避難民で占めるニャンガラでは、総合病院と一次医療を支援しています。私たちはニャンガラで毎月約4000件の診察を行い、200人の患者を入院させています。また、劣悪な治安によって隔離させられた住民に手を差し伸べるため、治安が許す限り、チームを送って移動診療を行っています。1月~3月の間は、犠牲者を出す大規模な攻撃があり、膨大な数の住民が新たに移動したため、私たちはニャンガラの西部にあるタピリで移動診療を行いました。チームは、ニャンガラから約15km北部にある定住地のナンビアを定期的に訪れ、1日に平均200件の診察と心理ケアを行っています。

Q. 心理ケアはMSFの活動の中で重要な部分を占めていますね…

MSFが行う啓発活動の様子。「暴力行為から逃れてきましたか」という問いに、ほとんどの住民が手を上げた。
MSFが行う啓発活動の様子。「暴力行為から逃れてきま
したか」という問いに、ほとんどの住民が手を上げた。

A. おっしゃるとおりです。私たちの活動には心理ケアが欠かせません。心理ケアプログラムは、拉致や暴力の直接的な被害者だけでなく、絶えず恐怖にさらされている多くの人びとも対象としています。家族を失った人、虐殺を目撃した人、若い女性のレイプ、気がつけば孤立してしまった人、そして過激な暴力行為を直接見たわけではないのに、攻撃されるのを恐れて自宅から遠く離れたところに避難し、自分や家族の生活を支えられない人もいます。2009年、ニャンガラでは416人が、個別診察とグループ・セッションのいずれかの方法で、MSFから心理ケアを受けました。

Q. このような状況の中、住民はどのように命をつないでいますか?

A. 多くの場合は、ニャンガラ、ナンビア、バンガディ、ドルマといったその地域の主要な町で避難生活をしています。町の中心部から離れた地域では、治安の悪い状態が続いているので、現在のところ避難民が家に帰る術はありません。コンゴのこの地域は、ほぼ2年間におよぶ極度の暴力と衝突で破壊されてしまいました。住民には終わりが見えません。畑仕事をするために村から離れることさえ本当に危険なのです。あえて危険を冒して出かける人はほとんどおらず、出かけたきり二度と戻って来なかった人もいます……。さらに、数千人規模の人が避難したことで、受け入れた地域の負担もますます大きくなっています。その結果、避難民と従来からの住民の両方がさらに弱い立場に追い込まれ、外部の人道援助に完全に依存しながら命をつないでいる状態です。

Q. 2009年に、MSFはこの地方でさらに大々的な人道援助活動を行うように世論に訴えました。現在、住民に対する援助はどのレベルに達していますか?

A. 2009年の最後の数ヵ月間で、この地方、とりわけ主要な町においては、人道援助団体が増加しました。人びとのニーズは以前より満たされるようになりましたが、人道援助で対応できるのは医療、食糧、水、基本的な生活用品といった必要最低限度のものだけですし、それも治安が比較的よい都市部に限られています。それでも、へき地で孤立し生活をしている人びとは、食糧、衛生、医療の援助をほとんど、あるいは全く受けられないこともあります。たとえば、MSFはバンガディで重傷患者をドゥングにある病院まで飛行機で搬送しました。ナンビアでは、治安上の理由から、時々移動診療を行うだけです。人道援助団体が活動していない地域にいる人びとについては、ほとんど情報が入ってきません。2~3ヵ月前に比べると援助は増えましたが、対応すべき課題は、いまもまだ数多く残されています。

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