中国:被災地の保健衛生・心理ケアのニーズを確認
2010年04月27日掲載
4月14日に、中国青海省玉樹チベット族自治州玉樹県で発生したマグニチュード6.9の地震を受けて、現地でニーズ調査を行っていた国境なき医師団(MSF)のチームは、調査の第一段階を終えて、北京に戻った。中国政府系報道機関によると、チベット高原にある山間部の結古鎮を直撃した地震による死者は2187人、負傷者は1万2135人にのぼる。この地域の主要な町で、被害も大きいとされる結古鎮と周辺の村々ではこの震災によって数万人が家を失った。
生活の場は、自宅近くのテントあるいは草原
4日間の調査で、調査チームは県、郡、町の行政レベルにある複数の医療施設を訪問し、大規模な被害を確認した。
中国南部・南寧でMSFが運営するHIV治療プログラムの活動責任者クリスチャン・フェリールは語る。
「現地の家屋は全壊したわけではなかったのですが、ほぼすべての建物には亀裂が多く入り、私たちが見た病院や診療所はすべて、一度取り壊して完全に建て直さなければならないように思います」
地震発生後3日経って調査チームが結古鎮に着いたとき、大規模な救援活動が現地では既に始まっていた。
フェリールは語る。
「今回の地震に対する対応は、即座に大勢の人が現地入りするというものでした。2008年の四川大地震と同じく、中国国内の各省が医療チーム、物資、医薬品と食糧を自発的に送りました」
人口およそ10万人の結古鎮にある家屋の大部分は、今回の地震によって全損壊した。
フェリールは続ける。
「自宅付近に留まれる人の多くは、自宅の近くにテントを張っています。そしてほかの人びとは夏場には競馬が開催される草原で生活しています。周辺の村にいた人にもそちらに移り、状況は大変困難なものとなっています」
日本人医師が伝える現地のニーズ
食糧と避難所については目下のニーズが満たされているが、保健衛生面のニーズは甚大である。今回、医療コーディネーターとして調査チームに参加した外科医の村上大樹医師は語る。
「衛生状態の問題が視野に入れられるべきです。避難民を受け入れるために作られたキャンプでは廃棄物の処理が不充分で、トイレの増設が絶対に必要です。現在、重度の感染や下痢の症例は多くはありませんが、災害後数週間はこれらの疾患が発生する恐れもあるため、早急に対策を講じる必要があります」
また、村上医師は、子どもたちは急性ストレス障害を受けた人用のカウンセリングを受ければ、震災のショックを早く解消していく余地があると語る。
村上医師は語る。
「学校で話したある教師によると、いつもと様子が全く違った子どもも見られるとのことです。突然笑い出す子がいる一方で、いきなり泣き出す子もいるそうです。一部の子どもたちは落ち込んだ様子で、不眠を訴える子どもが多くいます。これらは地震が影響している可能性が高いです」
今後数週間、MSFは中国当局および中国赤十字会や他の関係者と連絡を取り続け、この大地震への対応を支援するための提言策定にあたる予定である。
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