マラリア:Q&A(病気の正体、治療から対策の資金源まで)
2010年04月23日掲載
Q. マラリアとは何ですか?
A. マラリアは、蚊によって媒介される寄生虫病です。「熱帯熱マラリア」という型は重体に陥りやすく、治療を怠ると死に至る可能性があります。症状は発熱、関節痛、頭痛、反復性嘔吐などです。重度の場合、さらに内出血、腎不全、肝不全に至ることもあります。
Q. 患者はどのくらいいますか?
A. 毎年3億人がマラリアに感染し、100万もの人が命を落としています。世界の100ヵ国以上で感染者が見られます。マラリア関連の死者のうち、90%がサハラ以南アフリカ諸国で、全体の75%は子どもです。特に妊婦と幼児が、かかりやすくなっています。
Q. どのように診断するのですか?
A. 顕微鏡で寄生虫を発見する方法や、素早く簡単に使えて、へき地での利用に適した簡易検査を用いて、正確に診断を行うことが可能です。この検査で陰性の患者に対しても正確な治療ができ、アルテミシニン誘導体と他の抗マラリア薬の併用療法(ACT)を不要な患者に処方することを防ぐことができます。世界保健機関(WHO)は現在、治療に先立って簡易検査を組織的に行うことを推奨しています。しかし、多くの国では今なお、マラリア診断を臨床症状のみに頼っています。MSFは、マラリア患者の治療を行うすべてのプログラムで簡易検査または顕微鏡検査を用いています。
Q. どのように治療するのですか?
A. 現在マラリアに対する最も効果的な治療は、ACTです。毒性が低く、副作用も少なく、マラリア原虫に迅速に作用します。アフリカでマラリアが風土病と化しているすべての国が、ACTを標準的治療法として用いるよう、治療手順を公式に変更しました。しかし、こうした国の多くでは、ACTは今なお患者が簡単には入手できない薬です。MSFは早くからACTの使用を提唱し、2001年にはアフリカでのプログラムで使用を開始しました。東南アジアでは、さらに以前から使用しています。2009年には、MSFは世界30ヵ国で100万人を超えるマラリア患者を治療しました。
Q. どのように感染を予防するのですか?
A. 感染を予防する上で効果的な方法は、就寝時に殺虫剤を染み込ませた蚊帳を用いることです。蚊帳は蚊に刺されるのを防ぎ、周辺でマラリアを媒介する蚊の数を減らします。MSFは、マラリアが風土病となっている地域での大半の活動で、大規模な蚊帳の配布を行っています。
Q. マラリアの撲滅に必要なツールは十分に利用されていますか?
A. 現在、効果的な新薬、使いやすい診断用検査法、およびさまざまな予防ツールがあります。これらを組み合わせることで、マラリアによる死者数を大幅に抑制することができます。それでもなお、マラリアが発生しやすい国では、依然としてこうしたツールを利用できないか、入手不可能な人たちが大勢います。治療費は医療を受ける上での大きな障害となっており、MSFのこれまでの活動経験から、マリやシエラレオネなどの国では、必要な診断ツールや治療を含めた医療を無料で受けられるようにすると、効果的な治療を受けるマラリア患者数が3倍に増加することが明らかになっています。最も重要なのは、この措置が死亡者の大幅な減少につながるということです。
Q. マラリア対策の現在の資金源は何ですか?
A. 2010年、主要な資金拠出国や機関が、マラリア、結核、HIV/エイズ撲滅のための資金プールである世界基金への拠出額を決定します。これにより、今後数年間でマラリア撲滅のツールがどの程度まで拡大できるかが決まります。同時に、マラリアの発生しやすい国における家庭の所得水準も、マラリア撲滅においては重要な役割を果たしています。これらの国では、マラリア治療に費やす支出が、家計の総支出の5分の1を占めるに至っています。
関連情報
- 2011年5月18日
- コートジボワール:政治的混乱を発端とした医療人道上の危機
- 2011年5月18日
- コートジボワール:救急医療の膨大なニーズに対応続ける(5月11日現在)
- 2011年4月20日
- 世界マラリアデー 2011
- 2011年4月19日
- 4月25日は世界マラリアデー: 重症マラリア治療に大きな進展-20万人の命を救うために新たな治療法の導入を
- 2011年1月27日
- 2010年 医薬品をめぐる10の重大な進展と危機















