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結核:レソトでの活動に従事するドゥラン医師へのインタビュー

2010年04月01日掲載

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ロラ・トリヴィノ・ドゥラン医師は、国境なき医師団(MSF)の結核プログラムの中心メンバーとして、レソトにおけるHIV/エイズ治療に取り組んでいる。モリジャに拠点を置いて、主にスコット病院と14の地域診療所で活動しおり、これらの施設の担当区域にはHIV感染者およびエイズ患者3万5000人とARV治療を必要とする1万人の患者がいる。ドゥラン医師は、母国のスペインでは一般開業医である。レソトで活動する前は、ウガンダとザンビアでMSFの活動に従事していた。


Q. 普段はどんな一日ですか?

A. まず最初に、スコット病院の入院病棟で結核とHIVの合併症の患者を見て回ります。それから準備をして、モリジャから1時間以上でこぼこ道を走って、山岳地帯にあるMSFが援助している診療所に行きます。メースマウス、リバネングなどの診療所で1日中患者を診察し、看護師と並んで座り指導を続けます。また、結核/HIVの統合治療プログラムを無事に引き継ぐため、地区医療管理チームと共に診療所の指導訪問をしています。

Q. レソトで結核治療を行う上で主な課題は何ですか?

HIV陽性の子どもたちを支援するMSFのカウンセリンググループ。
HIV陽性の子どもたちを支援するMSFのカウンセリンググルー
プ。

A. レソトでは結核の罹患率が毎年10万人当り637件で、世界で4番目に高く、非常に大きな問題となっています。しかも、HIV感染者数も継続的に上昇し続けている国で、非常に多くの人が結核と診断されています。人口の23.2%以上がHIV陽性で、結核患者の最大90%がHIVとの二重感染者です。結核/HIVの二重感染者は治療が難しく、予後が悪いため、これは懸念すべきことです。結核を診断する際、特に二重感染者の場合は、他にも難しい点があります。それは、二重感染者の大半は通常の喀痰検査をやっても陰性という結果が出てしまうことです。つまり、正しく診断するためには胸部X線写真のような別の診断方法が必要になりますが、病院に来るための交通費もない患者にとって、別の検査を受けるのは負担が大きすぎます。私たちが診ている患者の中には、いくつも山を超えて、時には4時間以上かけて歩いてやって来る人がいます。こうしたことが患者にできるだけ早く治療を受けさせる際の障壁になっています。このプログラムは、患者に近い場所で効果的な診断方法を用意すれば、結核の早期発見と迅速な治療につながることを示す一つの良い例です。二重感染者を早期に治療プログラムに受け入れることが、これらの人びとが健康を取り戻し、より長く生きるために不可欠です。

Q. 設備や人材の乏しい環境で、この結核プログラムのどの部分を再現できると思いますか?

A. このプログラムは、HIVと結核の統合治療を提供し、看護師が主体となっており、地域社会の支援を受けることで成功しています。これは、患者が同じ診療所で同じ日に同じ看護師から結核とHIVの両方の治療を受けることのできる「ワンストップ・ショップ」ですが、診療所に行くことすら極めて難しい患者にとって、非常に大きな意味があります。患者が決められた治療のプロセスや服薬上の決まりを守りやすくなりますし、臨床的にも、2つの治療を並行して行う際に薬物間の相互作用や他の日和見感染症が発生しても、二重感染者をより効果的に管理することができます。また、初めて結核と診断され、すでに結核治療計画を守っている患者は、薬を規則正しく飲むことに慣れているため、抗レトロウイルス薬(ARV)治療を始めやすいようです。国が職務移行を選択肢とし、看護師に診断、薬品の処方、抗レトロウイルス薬と抗結核薬治療の調剤・配薬を行う権限を与えるなら、この治療モデルは再現性があり、他のケースにも適用できます。

Q. 8ヵ月間レソトで過ごした中で、いつまでも忘れられない患者はいましたか?

A. 私がここレソトで医師として治療した患者には、悲しい話も嬉しい話もあります。多くの人がHIV/エイズや結核の治療を受ける前に亡くなっていますし、治療中の人も何人か亡くなりました。でも、私はむしろ子どもの笑顔を覚えていたいと思います。ナフォという一人の小児患者のことは一生忘れないでしょう。彼は今5歳です。初めて会ったとき、彼はとても容態が悪く、片膝が腫れて歩くことができませんでした。その2~3週間後に彼の母親は亡くなりました。ナフォはリンパ節の肺外結核と診断され、8週間の結核治療の後にARV治療を開始しました。現在、彼はとても良い状態です。体重も増えていますし、免疫システムの改善を示すCD4値も増えています。それ以上の合併症を発症することもなく、結核治療をほとんど完了しました。

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