ハイチ復興支援国会合:人道ニーズが今も膨大な中、ハイチの人びとへの医療ケアの確保が必要とされる
2010年03月31日掲載

ポルトープランス西方にあるレオガンの避難民キャ
ンプで生活する人びと。2010年3月、ハイチ。
今年1月に大地震の被害を受けたハイチでは大部分の人びとが現在も脆弱な状況にある中、各国がハイチの復興支援策を話し合う復興支援国会合が3月31日にニューヨークの国連本部で開かれる。国境なき医師団(MSF)は、この会合においてハイチの人びとが医療を受けられる機会を制限する措置をとるべきではないことを訴える。
1月12日に発生したハイチ地震を受けて、ほぼ全ての公共および民間の医療機関が無料で医療の提供を行った。一方で、早ければ4月中旬にも医療機関での診療を徐々に有料に戻す計画が明らかになっている。
MSFのハイチにおける緊急対応コーディネーターのカーリーン・クライジャーは、被災者が他人の経済的手段に頼らなければ医療を受けられないような状況にすることは、ハイチの避難民キャンプや被災地の現状を完全に無視したものだと話す。
「今でも数十万人が避難を強いられ、ビニールシートで作られたもろい小屋やテント、あるいは損壊した家に住み、トイレは平均数百人に1人しかない状態です。避難所の確保と衛生状態の改善、そして清潔な水と医療の提供が最優先のニーズです。早急に対応すべき人道面でのニーズは膨大で、未だに満たされていません。雨季とハリケーンの到来によって、人びとの生活状況がさらに悪化することも懸念されています。既に私たちは最近の雨でキャンプの大半が倒壊した状況を目にしています。避難所やテントの倒壊や浸水によって、被災者の多くが再び別の場所へ避難を強いられることも予想されます」

地震によって外傷を負い、片足を切断した女性に
付き添うMSFの理学療法士。2010年2月、ハイチ。
MSFが被災者の治療を行う中で最も多く見られる症例は、呼吸器感染と下痢疾患である。被災者は今後も術後ケア、リハビリ、理学療法、心理ケアを必要としている。さらに、産科、小児科、外傷処置においても膨大なニーズが存在する。
MSFインターナショナル会長のクリストフ・フルニエ医師は、ハイチの人びとは効率的な医療制度の元で医療を受けられなければならないと主張する。
「医療機関が適切に機能するために必要な財源を、このような脆弱な状況に置かれた人びとから引き出すようなことはすべきではありません」
国際社会によるハイチ復興支援は、ハイチの医療制度を財政面から直接支援することを検討しなければならない。今回のニューヨークでの会合における決議によって、今後もハイチの医療制度が人びとの緊急の医療ニーズに対応し続けられることが求められる。
MSFはハイチで19年間にわたり医療援助活動を行っている。現在ハイチでは、3300人以上のハイチ人スタッフと外国人スタッフがハイチ保健省およびMSFが運営する医療施設で活動している。1月に発生した地震以降、MSFは4000件以上の手術を実施し、2万人以上に心理ケアを提供、5万3000人の患者を治療した。MSFはまた、1万4000張のテントと約2万セットの救援物資キットを配布した。この救援物資キットには、調理器具、衛生用品、貯水容器、毛布、ビニールシートなどが含まれている。MSFはハイチにおける活動を民間からの寄付のみによって運営しており、ニューヨークで開かれたハイチ復興支援国会合に利害関係はない。
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