ブルンジ:北部でマラリア感染の緊急事態
2010年03月30日掲載
ブルンジでは年明けから、マラリア患者の著しい増加への対応を進めている。国境なき医師団(MSF)はブルンジの関係当局と協力して、患者の治療と感染予防のために蚊帳を配布し、病気の拡大を食い止めようとしている。
北部3県にまたがり、感染が拡大

マラリア感染の血液検査を受ける男の子。
マラリアは特定の蚊に刺されることによって広がる。この蚊は2009年末以来、ブルンジ北部で特に多く繁殖するようになった。マラリア患者はカヤンザ、ンゴジ、カルジの3県にまたがって出ている。ブルンジ当局は、この緊急事態への対応にあたってMSFに支援を要請した。
MSFの緊急対応チームは、カヤンザ県とンゴジ県で地域病院の支援、移動診療による散在する村々に住む患者の検査と治療、新規感染防止のための蚊帳の配布の3つを柱とする対策を立てた。カルジ県では、別のMSFのチームが現状の調査を行っている。
移動診療で散在する民家をフォロー
移動診療は、丘陵地帯に散らばって居住し、医療を受ける手段がほかにない人びとにとって重要な役割を果たしている。16ある移動診療チームがそれぞれ週に3度丘陵地帯を訪れる。発熱している患者(あるいは発熱したと訴える患者)は無料で検査と必要な治療を受けることができ、より重症の患者は県立病院に搬送される。移動診療を通じて、すでに3万2000人を超える患者を検査したが、うち70%以上がマラリアに感染していた。
レペタは65歳でルカゴ丘陵地帯に独りで住んでいる。彼女はクリスマス以降、もう3度もマラリアにかかり、この10日間ほど、また熱が出てきていた。しかし、治療を受ける経済的余裕はなく、家でじっとして過ごしていた。結局、彼女の息子が自転車に母親を乗せて、なんとかMSFの移動診療に連れてきたのだった。MSFの移動診療チームは直ちにレペタをカヤンザの病院に搬送した。彼女が重度のマラリアに感染していたことが判明したのだ。病院への搬送中にレペタは昏睡状態に陥ったが、今では危機を脱し、順調に回復している。
病院機能を多角的に強化

カヤンザでの蚊帳の配布の様子。
MSFは現在、ンゴジとカヤンザ各県の地域病院に対して支援を行い、患者に対して無料で適切な診療を行えるようにしている。この2つの地域病院では、内科病棟、小児科病棟、救急外来病棟に医薬品及びその他の医療器具が提供され、医療機能が拡充された。MSFは、各病棟の負担軽減のため、テントを設置して、重症化したマラリア患者専門に治療を開始した。また、病院の治療技術向上のために医療スタッフの研修も行っている。
子どもは特にマラリアが重症化しやすいことから、小児科にはとりわけ注力している。 クロディーヌは9歳で、数日前にマラリアの症状を呈し、母親が地元の診療所に連れて行った。クロディーヌは不運にも治療を受けつけず、薬を飲んでも吐いてしまった。彼女の症状は悪化し、半昏睡状態に陥ってしまった。一刻の猶予もなく、母親はクロディーヌを背負ってカヤンザの病院に連れて行き、クロディーヌは小児科病棟に入院した。
蚊帳の配布で感染を予防
マラリアの感染を拡大させる蚊は、夜間に最も活動的になる。したがって、蚊帳を張って、その中で寝るとマラリアの予防効果が高くなる。MSFはすでに3万6000帳の蚊帳を配布しており、正しい使い方の知識を広めてマラリアを正しく予防できるようにする活動も行っている。
マラリアはブルンジの風土病で、大規模流行が起こっていないときでも患者は存在する。蚊は人を刺すことで寄生しているマラリア原虫を人体に送り込み、感染者に発熱と悪寒の発作を引き起こす。推計によれば、毎年この病気で世界中で100万人以上が命を落とし、アフリカでは5歳未満の子どもの死因の20%がマラリアである。
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