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3月24日は「世界結核デー」:結核拡大を防ぐため国境なき医師団(MSF)から3つの提案

2010年03月23日掲載

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近年、日本でも集団感染が問題となっている結核は、ありふれた風邪のように人から人へと広がる感染症である。世界の人口の3分の1にあたる約20億人がこの病気に罹患し、また、免疫力の低下したエイズ患者は、健康な人に比べて結核を発症するリスクが20~40倍も高いことから、ここ数年間、新規感染患者数は毎年900万人以上にのぼる。

国境なき医師団(MSF)は、医療援助の現場での豊富な治療経験をもとに、結核感染の拡大を防ぎ、より多くの患者を救うための対策として、以下の3つの提案を行う。
1. 短期間での治療が可能な新薬と、途上国など医療設備の不十分な地域の医療機関でも実施できる新しい結核診断法およびワクチンの開発
2. 結核治療薬の研究開発を促すため、先進国による積極的な資金拠出
3. 各国政府、国際機関による薬剤耐性結核(DR-TB)への優先対策の策定

結核治療薬は1970年ごろまでに開発された薬剤が現在でも主に使われており、一般的に診断法として活用されている喀痰(かくたん)顕微鏡検査に至っては、1世紀以上も前に開発されたままで、病気の検出率は50%と精度が低い。
病気の治療には6ヶ月以上にわたる長期投薬治療を続けなくてはならないため、医療機関へのアクセスが悪い地域の住民や、経済的に困窮している人びとには完治が非常に難しい。
また、台風や地震など予期せぬ災害の影響で治療が中断に追い込まれ、薬剤耐性結核に移行してしまう危険性がある。薬剤耐性結核患者は、他人に同じタイプの結核を感染させる恐れもあり治療は必須だが、完治の保証もないまま、激しい副作用に耐えつつ、注射や15種類以上の薬による高価な投薬治療を2年間も続けなくてはならない。

2009年3月18日の世界保健機関(WHO)の発表によると、2008年、世界では年間44万人の薬剤耐性結核の患者が確認されている。日本でも2007年までに、389人がこの病気の患者と推計されている。
MSFは2008年、世界30カ国で2万9000人(うち971人は薬剤耐性結核)の結核患者の治療にあたり、アルメニアでは、薬剤耐性結核の治療に特化したプログラムを2005年より実施している。同国は、2010年3月に発表されたWHOのレポートで、「薬剤耐性結核対策に進展があった国」として取り上げられており、MSFが導入している治療方針は、他国で感染が拡大した場合に活用することが可能である。

交通手段の発達や国際化が進む現代社会は結核の感染が拡大する可能性がある。2010年2月、MSFのアルメニアの活動責任者、ストブダン・カロン医師はこう語った。
「今では、だれもがこの病気にかかる恐れがあります。アルメニアでは、結核患者が富裕層をも含めた国民全体に見られるようになっています」

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