• English
  • 한국어

RSS

ご寄付に関するお問い合わせ・資料請求は フリーダイヤル 0120-999-199

寄付する

  1. TOP
  2. 活動ニュース
  3. 活動地からの声
  4. 結核:薬剤耐性結核を克服することを心に決めた教師、ラリサ

結核:薬剤耐性結核を克服することを心に決めた教師、ラリサ

2010年03月19日掲載

Bookmark and Share

ラリサは自分が薬剤耐性結核(DR-TB)と診断されたときのことを思い出すと、今でも身震いせずにはいられない。それはアルメニアの首都エレバンにある結核治療センターでの出来事だった。


「もうすべてが終わり、私は死ぬのだわ」

「この世に、これほどひどいことはない」。薬剤耐性結核と診断されたときの身震いをラリサは思い出す。
「この世に、これほどひどいことはない」。薬剤耐性結核と診
断されたときの身震いをラリサは思い出す。

「最初に考えたことは、もうすべてが終わり、私は死ぬのだわ、ということでした。この世に、これほどひどいことはないと思いました。周りの色がすべて真っ黒に変わってしまいました」
29歳のラリサは、そう語る。彼女は薬剤耐性結核にかかるまで大学で英語を教えていた。

薬剤耐性結核は、患者の体内に存在する結核菌が、この病気に効き目のある第一選択薬に対して耐性をもつときに起こる。通常の結核でも患者が治療を途中で中断すると、耐性を持つようになる恐れがある。また、薬剤耐性結核の感染者を通じて薬剤耐性結核の菌株に直接感染する場合もある。

アルメニアは国民一人当たりの薬剤耐性結核の感染率が、世界で最も高い国の一つである。このため、国境なき医師団(MSF)は2004年以降、アルメニア保健省と協力して、旧ソ連諸国で唯一の薬剤耐性結核治療プログラムを運営している。

MSFは治療薬を無料で提供している。その費用は患者が2年間の治療プログラムを受けた場合、一人当たり1万5000ドルまでかかることがある。また、MSFは治療を指導し、患者に心理・社会的支援を行っている。MSFのプログラムは世界保健機関(WHO)の検討審議会(Green Light Committee)の認定を受けており、このため安価な価格で治療薬を入手し、それを患者に無料で提供することが可能となっている。

貧富の差にかかわらず、だれにでも感染するリスク

激しい副作用に耐え、治療が終了するまで、あと半年にこぎつけた。
激しい副作用に耐え、治療が終了するまで、あと半年にこぎ
つけた。

ラリサは幸運だった。アルメニアには近代的な設備が整った薬剤耐性結核診断のための国立研究所があり、喀痰(かくたん)培養検査の結果を3週間以内に知ることができる。とはいえ、国立研究所で検査を受けるためには、結核専門医の紹介が必要だった。他の国々と同じくアルメニアでも、こうした医療上の取り組みは新しく、結核治療プログラムとそのスタッフはMSFの支援を受けて、専門的技術の確立に向けて取り組んでいる。

アフリカやその他の途上国では、薬剤耐性結核を診断するための精度の高い検査装置はまだ出回っていない。このため、知らないうちに空気を介して、この疾患を広めている人も多い。

ラリサは結核と診断される前から、この病気について多少の知識は持っていた。けれど、国の保健機関から定期的に結核の無料治療についての案内メールが送られてきても、無意識に削除していた。

1歳の男の子の母親でもあるラリサは語る。
「現在では交通機関が発達し、多くの人びとが行き来し、さまざまな地域の人びとが一緒に仕事をするようになっています。ですから、感染は人びとの暮らしがひどいことだけが問題ではないのです」
MSFのアルメニアでの活動責任者で、現地スタッフ40人と海外派遣スタッフ8人とともにプログラムを運営するストブダン・カロン医師は、彼女の意見に同意する。

カロン医師は語る。
「今では結核感染が拡大し、だれもがこの病気にかかる恐れがあります。この国では、結核患者が富裕層をも含めた国民全体に見られるようになっています」

自分の人生を完全な形で再び歩み始めるために

ラリサは昨年8月に結核と診断されてから、他人にこの病気を感染させる恐れがなくなるまで、2ヵ月間入院して治療を受けた。治療を終えるまで、あと半年の辛抱である。

最初にMSFが管理・運営する薬剤耐性結核病棟に入院して2ヵ月間治療を受けた後、3ヵ月間外来診療所で治療を受けた。あと6ヵ月間、治療を続けなければならない。

他の大多数の患者と同じように、ラリサがのまなければならなかった薬は毒性のある混合薬で、激しい副作用を経験した。しかし、彼女は治療を最後まで続けることを決意した。自分の人生を完全な形で再び歩み始めるために。

ラリサは語る。
「治療がこれほど大変とは想像もしていませんでした。本当に辛いです。でも最後まで治療を続けます。必要な薬はすべてのむつもりです」
現在、彼女はベッドが2つあるだけの清潔なアパートに母親と2人で暮らしている。

Bookmark and Share

関連情報

2010年3月23日
結核:薬剤耐性結核治療成功の鍵―ソーシャルワーカーと心理療法士
2010年3月19日
結核:過酷な治療を経て薬剤耐性結核を克服したタヴァン
2010年3月1日
世界結核デー 2010
2007年11月4日
アルメニア: 首都で1人目の患者が薬剤耐性結核の治療を終了
2007年5月25日
アルメニア:結核治療が投げかける不安の影

[アルメニア] に関連した情報を表示

[結核] に関連した情報を表示