ハイチ:震災から2ヵ月の今(3月12現在)
2010年03月16日掲載
ハイチで現地時間1月12日に発生した大地震から2ヵ月が経過した。現地では今も膨大な医療ニーズが存在しており、被災者の生活環境は今も非常に危機的な状況である。

テントと救援物資キットの配布の様子。
救命医療の段階は過ぎたが、今回の緊急事態に関連して、現在も数千人が術後ケア、リハビリ、理学療法、心理ケアを必要とするという重要な時期が続いている。非常に困難な生活環境は、市の全域とその周辺で避難民キャンプやテントに暮らしている人びとにストレスをもたらしている。雨季が始まり、今も衛生設備の利用が困難な人にとって、既に悲惨だった生活環境が悪化したほか、マラリア感染のリスクが増大した。照明設備や安全対策が充分でないことから、キャンプ内の治安も問題となっている。性暴力の症例増加は、その一端とみられている。
治療が完了するまで患者がケアを受けられることは極めて重要で、国境なき医師団(MSF)は術後ケア専門の施設を開設するところまで活動を拡充させた。具体的には、やけど患者に向けた形成外科とマイクロサージェリー(微小外科)*治療、物理療法、リハビリ、心理ケアなどが挙げられる。MSFは一次医療と二次医療に力を入れている。一次医療は市内各所に設営した外来部門を通じて提供している。二次医療は、救急産科、栄養失調児の集中栄養治療、小児患者と成人患者の入院治療などである。
*微小外科→2008~2009年にナイジェリアで活動した整形外科医の城倉医師の説明へ
MSFは給水活動、トイレなどの衛生設備の建設、テントや衛生用品及び調理器具の配布にあたり、住民が必要とするもので足りていないものを当局に伝えたり、働きかけたりできるように、キャンプ内の状況を見守っていく。
現在、ハイチでは海外派遣スタッフ348人がハイチ人スタッフ3000人とともに活動している。術後ケアのニーズに従ってサービスを拡張したことに伴い、現在合計26ヵ所あるMSFの病院と診療所では、最大約1346人の患者を受け入れられるようになっている。被災後の2ヵ月間、MSFは3700件を超える手術を実施、2万2000人に心理ケアを提供し、5万4789人の患者の治療にあたった。MSFはまた、1万8000セット以上の救援物資キットと1万500張のテントを配布した。なお、この救援物資キットには、調理器具、衛生用品、貯水容器、毛布、ビニールシートなどが含まれている。
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