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インドはEUとの貿易協定でHIV/エイズ感染者を犠牲にしてはならない

2010年03月15日掲載

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インドと欧州連合(EU)間で自由貿易協定(FTA)の非公式協議の最終ラウンドが3月に予定されている中、インドのHIV/エイズ患者は、インド政府代表に対し、発展途上国の患者数百万人が治療薬を入手する機会を著しく妨げる条項を容認しないよう、抗議活動を行っている。

インドのHIV/エイズ患者団体「デリーHIV陽性ネットワーク(DNP+)」代表のルーン・ガングテ氏は語る。「私たちはインド政府が、HIV/エイズ患者の命を引き換えにするような決定を行わないよう要求し、抗議活動を行っています。HIV/エイズ患者が一生涯治療を受けられるためには、新たなエイズ治療薬を入手できることが不可欠です。インド政府が過去に調印した国際貿易規定のため、新しいエイズ治療薬には既に特許権が付与され、全く手の届かない価格になっています。私たちはインド政府が今後患者の命を救う治療薬の普及をさらに妨げるような条項を承諾することに抗議しています。」

2005年、インド政府は国際貿易上の各種ルールに従う一環として医薬品に特許権を付与することを義務付けられたが、同時に公衆衛生の保護と過剰な特許権の付与を制限するための措置も導入した。しかし、現在EUとの間で協議されている二国間貿易協定は、製薬会社が医薬品の高い価格を維持できるよう、インド政府にさらに高度な知的所有権保護の基準を課す恐れがある。

国境なき医師団(MSF)の必須医薬品キャンペーン担当者、リーナ・メンガニーは語る。「現在発展途上国で使用されているエイズ治療薬の92%を供給しているインドは、途上国の薬局となっています。このような厳格な知的所有権保護の動きは、インド以外の広範囲の国々に影響を及ぼします。EUや米国と発展途上国の間で最近締結された自由貿易協定は、安価なジェネリック薬の製造や輸入を大幅に制限するものです。もしインドがこの圧力に屈してしまうと、協議の過程でHIV/エイズ患者らが治療を受ける機会が犠牲になってしまいます。」

欧州が推進している「新薬データ独占権*」といった個別の措置は、ジェネリック薬の登録を遅らせ、さらに特許権の付与期間を当初の20年より延長することが可能なため、国際的な法規定の下では必要性がないものである。加えて、最近インドのジェネリック薬の製造会社が南米やアフリカなどの発展途上国に出荷した医薬品を、通過国の税関が差し押さえる事態が数件発生している。EUは新薬データ独占権や医薬品の差し押さえといった措置をFTAに含めるようインドに強要し、これらの措置を合法化しようとしている。

4月にブリュッセルで開催される公式協議に先立ち、EUとインド間の非公式協議が3月第2週から開始する見込みである。EUは2010年10月に予定されているEU・インドサミットの前にFTA協議を締結する意向を発表している。

*新薬データ独占権:規制当局に販売許可を得るために提出する、新薬の安全性と有効性を証明する試験データの不正な商業的使用からの保護および開示からの保護義務を規定する権利。これにより、規制当局がジェネリック薬の使用を許可することを一定期間妨げることができ、最初に薬を開発した製薬会社にとっては事実上の市場独占権となる。

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