ブルンジ:「ここでは毎月200人以上の新生児が生まれています」【3月8日 国際女性の日】
2010年03月08日掲載
ブルンジでは、妊娠と出産に大きな危険が伴う。この国の妊産婦と新生児の死亡率は悲惨なレベルにあり、世界保健機関(WHO)によると、妊産婦死亡率は生児出生10万人に対して1100人、新生児死亡率は生児出生1000人に対して41人にのぼる。そのため、国境なき医師団(MSF)は、2008年に首都ブジュンブラの南方にある町カベジで緊急産科センターの運営を開始し、妊娠期と周産期の女性に専門医療を無償で提供している。センターでは、月に平均250人の女性が治療を受けている。
プログラムの目標は妊産婦死亡率を下げること

首都ブジュンブラの南方にある町カベジ
で緊急産科センターにて。
「ここでは毎月200人以上の新生児が生まれています。MSFのプログラムの目標は妊産婦死亡率を下げることです」
こう、MSFの助産師、アン・ファン・ハヴェルは説明する。
「妊娠によって死亡する女性の大半が、分娩中または分娩後1週間以内に命を落としています。そのため、MSFは救急医療を提供し、産科合併症を引き起こした女性の治療を行っています」
緊急産科センターでは、遷延分娩、産前産後の出血、子癇前症(高血圧など危険な症状を引き起こす)をはじめとする、さまざまな合併症の患者も受け入れている。妊婦が過去に帝王切開手術を受けている場合は、分娩中に縫合跡が裂ける恐れがある。どのような事態も起こりうることから、合併症が起きた場合には妊婦を医療スタッフの待機する同センターに搬送することが重要である。
センターで生まれた子どものなかには、早産児も何人かいる。ファン・ハヴェルはこう語る。「早産児に対しては、特に母親の胸の近くで赤ちゃんを布でくるむというカンガルー方式を用いて治療します。肌が触れることで赤ちゃんに体の熱が伝わり、保育器のような働きをします。また、赤ちゃんが安心して過ごせますし、母乳の産生も促進されます」
絶え間なく走る救急車

カベジの緊急産科センターで勤務する現地スタッフの医師。
カベジのセンターでは、住民約60万人に医療サービスを提供している。妊婦は24時間待機しているMSFの救急車で、地域の診療所からセンターへと搬送される。道路の状態が悪いため、救急車は遠隔地にある複数の診療所まで日没後に出動することはできない。そのため、分娩時に合併症を起こす危険のある妊婦は、入院病棟のある近隣の診療所へ移されていて、、合併症が起きてもカベジまでの搬送が容易になっている。
分娩時の合併症の治療を受けなかった場合に見られる症状として、産科フィスチュラがある。これは膣(ちつ)と膀胱(ぼうこう)の間、膣と直腸の間、または膣と膀胱と直腸の間それぞれに異常な穴(ろうこう)が開く疾患である。フィスチュラは閉塞性分娩が何日も続くことで形成される。その結果、常に失禁するようになり、フィスチュラを患う女性の大半は社会から阻害されてしまう。MSFが提供しているような緊急産科医療によって、この疾患は予防が可能である。
ブルンジで新たなフィスチュラの症例は年に約1000例、また治療を受けずに苦しむ女性は合計約1万人と推定される。これを受け、MSFはフィスチュラを患う女性に対して手術を提供している。2009年、MSFは30人の女性に外科手術を行うパイロット・プログラムを提供した。この試みは成功し、後にMSFはブルンジ中部の町ギテガに常設のフィスチュラ専門診療所を開設した。この診療所のチームは少なくとも年に350人の女性を治療できる。手術を受けた女性は再び日常生活に戻り、社会の一員として迎えられるようになる。
すべての人に無償の治療を
ブルンジの医療制度は、1993年から2006年までこの国を苦しめた内戦の影響を今なお受けている。急患の搬送システムが機能せず、また、国民には医療費を払う余裕がないため、この国で分娩時に専門的な医療支援を受けられる女性は、約50%に過ぎない。さらに、緊急産科医療自体も常に受けられる状態ではなく、サービスの質も低い。こうした理由から、カベジにおけるプログラムでは、域内の妊婦に無償で緊急産科医療を提供している。
カベジのプログラムは、MSFのブルンジ人スタッフ115人によって運営され、ブルンジ人監督者の研修と指導を主に担当する8人の外国人派遣スタッフによるサポートを受けている。
ブルンジ:カベジ緊急産科センターでの活動【3月8日 国際女性の日】(
英語、mp4形式)
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