• English
  • 한국어

RSS

ご寄付に関するお問い合わせ・資料請求は フリーダイヤル 0120-999-199

寄付する

  1. TOP
  2. 活動ニュース
  3. ニュース
  4. ハイチ:震災から1ヵ月─新たな緊急事態への懸念

ハイチ:震災から1ヵ月─新たな緊急事態への懸念

2010年02月16日掲載

Bookmark and Share

ハイチを襲った壊滅的な地震の発生から1ヵ月が過ぎたが、被害規模は今なお正確に把握されていない。およそ20万人以上が死亡、30万人が負傷し、数十万人が家を失った。国境なき医師団(MSF)は、地震発生の当日から救命手術と医療を提供している。現在、ニーズは変化しつつあり、術後ケアと被災者の生活環境の改善が最優先事項となっている。


地震直後からの緊急事態への対応

デルマに設置された180床の病院で治療を受ける女性。
デルマに設置された180床の病院で治療を受ける女性。

2010年1月12日、首都ポルトープランスに置かれていたMSFの医療施設もこの国を襲った大地震の被害にあった。事実、震災後の数日間は多くのMSFスタッフが行方不明となり、後に7人が亡くなったことが判明した。

しかし、この大災害の直後から、シテ・ソレイユ、マルティッサン、トリニテ、カルフールにあるMSFの活動する病院には多くの重傷者が集まり始めた。夜を徹して緊急の応急処置が始まり、医療チームは懐中電灯や自動車のヘッドライトを用いて活動場所を一晩中照らし続けた。

翌日の日の出を迎えて、初めて災害の規模が明らかになった。負傷者の人数が、残された設備と医療チームの手元にある物資の量をはるかにしのぐ状況にあることはすぐに見てとれた。緊急医療と手術のニーズは膨大だった。MSFは手術室を設営できる新たな場所を探すと同時に、路上、仮設キャンプ、ビニールシートの下、また改造したコンテナの中で手術を行い、できる限り多くの人びとを治療した。ハイチ人スタッフの多くは、家も暮らしも大きな被害を受けていたが、この困難な期間にも活動を続けた。

MSFは現在、大手術用の手術室10室と小手術用の手術室5室を稼働させながら、首都ポートプランスおよび近郊、さらに近隣のレオガン、ジャクメルの、20ヵ所を超える場所で活動している。1月中には合計で1万8000人以上の患者を治療し、2000例以上の外科手術を行った。現地で活動するスタッフは、ハイチ人スタッフ1450人を含め、1800人を超える。これまで約1400トンの医療物資と救援物資がハイチ直行便または隣国ドミニカ共和国経由で届けられたが、さらに350トン分が今後数週間内に到着する予定である。

術後ケアと心理ケアへの対応拡大

MSFの心理ケアを受ける12歳のニコルソン。
MSFの心理ケアを受ける12歳のニコルソン。

MSFは現在も被災者への外科手術を提供しており、最も重症なケースでは複数回の手術を要したこともあった。しかし、救命医療が休みなく続けられた第1段階を経て、医療面の最優先事項は、術後ケア、日常的な疾患に対応する一次医療体制の再整備、そして慢性疾患を抱える人びとの援助へと移りつつある。すでにMSFはデルマ30区、シャンドマルス地区のリセ(中学校)、かつてのミッキー幼稚園、プロメスの4ヵ所に術後ケア専門の施設を開設した。さらに、患者150人に対応できる新たな施設がまもなくサルトに開設される予定である。

MSFは、術後ケアを提供できない他の施設で治療を受けている人びとも含めて、可能な限り多くの患者に対して質の高い医療を確保するため、今後数週間内に入院施設を拡充することを計画している。第1段階で外科設備を導入し活動していた複数の緊急医療チームが現地を離れたことにより、問題が悪化した。さらに、MSFは各地で心理ケア活動を拡大している。重傷患者、特に切断手術を受けた患者、またその家族にとって、心理面のサポートはきわめて重要である。MSFは、仮設キャンプに暮らす多数の避難民への援助を目的とするアウトリーチ活動*プログラムや移動診療にも心理ケアチームを組み入れている。このような避難民は、今後どこでどうやって暮らしていくのか不安を抱えながらも、自分たちが経験したばかりの困難な試練を乗り越えようとしている。

*アウトリーチ活動:こちらから出向いて、援助を必要としている人びとを積極的に見つけ出し、サービスを提供すること

早急に生活環境の改善

地震発生から1ヵ月が過ぎた現在、雨季が近づくにつれて、ハイチでは過密で不衛生な生活環境に対する懸念が広がっている。今も多くの人が、テントも衛生キットも受け取っていない。清潔な水や衛生設備の利用がままならない人も多い。現地を訪れたばかりのMSFインターナショナル会長、クリストフ・フルニエ医師はこう語る。
「地震から1ヵ月が経ったにもかかわらず、信じがたいほど多くの人が今もキャンプや路上でシーツを広げて暮らしています。MSFはできる限り多くのテントや衛生キット、調理器具などを配布しながら、医療の提供に重点を置いています。ハイチに対する大規模な資金援助の約束とその分配の遅れとの間に、なぜこれほどまでのギャップがあるのか、全く見当もつきません。MSFは、雨季の到来とともに、避難場所もなく暮らす人びとが下痢や呼吸器感染にかかって一度に大勢来院するという医療上の緊急事態を懸念しています」


 

Bookmark and Share

関連情報

2012年1月12日
ハイチ:大地震から2年――医療施設の受け入れ拡充の取り組み続く
2011年10月25日
ハイチ:「コレラのワクチンは流行を食い止める手立てとなるか?」
2011年10月21日
ハイチ:北県でのコレラ対応を保健省に引き継ぐ
2011年10月21日
ハイチ:大地震の後コレラの猛威に晒されて1年、MSFの援助活動
2011年10月20日
ハイチ:コレラ発生から1年。対策が不十分で人びとの命が現在も脅威に

[ハイチ] に関連した情報を表示

[ハイチ大地震(2010年)] に関連した情報を表示