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ハイチ:現地の状況変化に応じて支援体制を調整(2月5日現在)

2010年02月08日掲載

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ハイチにおける国境なき医師団(MSF)の医療活動は次第に“平常”を取り戻し、運営する病院や診療所では、より日常的な病気の治療を行うようになっている。ハイチでは震災前から医療体制が充分に整備されておらず、このためMSFの救急医療施設はフル回転状態だった。今回の地震により、最も基礎的な治療さえ中断して地震被災者のケアにあたってきたことから、現在は、術後ケアと並行して、さまざまな病気に苦しむ大勢の患者にも対応している状況である。


平時の医療と、被災後の心理ケア、術後ケアを並行

ポルトープランスのシャンスレル地区にある病院で出産した女性。
ポルトープランスのシャンスレル地区に
ある病院で出産した女性。

首都ポルトープランスのマルティッサン病院では、下痢や呼吸器感染にかかっている小児患者が増えている。西部の町レオガンでは移動診療を拡大し、現在では1日に350人の患者を診察しているが、その多くはより“普通の”診察を受ける患者である。ポルトープランスのシャンスレル地区にある病院では産科の患者が増えており、MSFは病院の備品室を追加の産科病室に改造してベッド数を18床から40床に増やした。この病院では1日あたり平均で12人の子どもが誕生している。こうした患者が増えている理由は、この専門医療施設が十分に機能しているという情報が市内の住民に浸透してきているためと考えられる。

震災関連の症状で、MSFの診察で次第に増加しているのが、多くの被災者が受けた心的外傷である。レオガンとポルトープランスでは、移動診療を頼ってくる患者の20%近くが心の傷の問題を抱えており、一般的な症状として、不安や絶望、不眠、さらには怒りがみられる。こうした感情を抑圧することから生じる身体症状は、被災者の国民的文化の違いに応じて表れ方の程度が異なるが、ハイチではこうした感情を恥とする風潮が比較的少ないため抑圧が少なく、MSFの心理療法士や精神科医からは、身体症状は頭痛や食欲不振にとどまっているという報告が届いている。

当初、心理ケアは切断手術を受けた患者に優先的に行われていた。こうした総合的なケアは、長期間治療を必要とする患者用のベッド数自体が不足しているため、対応が遅れており、現在ハイチにおけるMSFの優先課題となっている。MSFはサン・ルイの病院からまず20人の患者を隣接するデルマ30区に設置した、テントからなる"術後ケア村"へと移送した。一方、ビサントネールの医療施設には60床のベッド数を確保した。また、破傷風患者専用の治療室も整備し、この危険な病気に必要な集中治療を提供する。

給水・衛生設備への高いニーズに対応継続

家を失い仮設キャンプに身を寄せた人びとは今でも非常に厳しい生活条件の下で暮らしており、清潔な水や衛生設備へのニーズは極めて高い。MSFはつい先日、サン・ルイの病院付近のキャンプで暮らす7000人に必要物資を供給する計画を立てた。また、これとは別のチームは、市内の20~30ヵ所を特定し、そこでトラックによる給水と簡易トイレの設置を行う予定である。MSFの活動は、ポルトープランスとレオガン一帯の合計4万人近い避難民の、給水や衛生状況の改善につながっている。MSFはこのほかにも、およそ7000世帯を対象に、毛布や貯水容器といった生活必需品を既に配布、または今後配布する予定である。


 

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