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パキスタン:北西辺境州にて避難民の子ども2100人にはしかの予防接種

2010年02月01日掲載

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パキスタン

2010年1月25日、国境なき医師団(MSF)は、パキスタン北西辺境州のムンダ・キャンプとその周辺から、武装軍人により約7000人の避難民が強制退去させられた事実に衝撃を受けている。バジャウル自治区の紛争で避難民となった彼らが、再び避難場所を失うことのないよう、MSFは現地当局に保護の必要性を訴えている。以下に、1月中旬にMSF,が行った集団予防接種と現地の状況を伝える。


武力闘争によって住む場を失った人びとは、より多くの助けを必要としている。
これらの人びとに、適切なキャンプをただちに設営しなくてはならない

MSFと保健省は北西辺境州ムンダで、1月12日から15歳未満の避難民に、はしかの予防接種を開始。
MSFと保健省は北西辺境州ムンダで、1月12日から15歳未満
の避難民に、はしかの予防接種を開始。

MSFと保健省は1月12日、パキスタン北西辺境州ロワー・ディール郡のムンダで15歳未満の避難民を対象に、はしかの集団予防接種を開始した。3チームに分かれてムンダ避難民キャンプ周辺の異なる地点で行ったこの予防接種により、3日間で2100人の子どもが予防接種を受けた。ワクチンとこれを低温に保つ輸送システム(コールドチェーン)は保健省が提供し、実際の接種はMSFが担当した。

2009年11月以来、バジャウル自治区での戦闘を逃れてきた避難民が新たな波となってロワー・ディール郡に押し寄せている。MSFは、ムンダ・キャンプおよび市場に隣接する建物で暮らす国内避難民を支えてきた。MSFはまず約450家族を受け入れるためのテントを設営。テント居住者のほか、4500人にのぼる市場隣の建物に住む人びとがこの危機的な状況に対処できるよう、清潔な水を調達し、簡易トイレ、シャワーを設置した。毛布や調理キットのような生活必需品も配布した。MSF医療チームは、避難民と地元住民の両方を対象に無償で医療を提供している。どちらも、武力闘争によって直接的な影響を受けている人びとである。避難民はムンダの総人口の最大4割を占める。

パキスタンでMSFの医療コーディネーターを務めるアハメド・ムフタール医師は語る。
「2009年12月、私たちは援助を提供している家族を対象に、はしかの予防接種状況に関する簡易調査を行いました。その結果、予防接種歴のある子どもが非常に少ないことがわかりました。劣悪な生活環境、狭い場所に密集しての生活で体の弱った人びとの間ではしかが発生すれば、たちまち感染は広がり、重大な結末を招きかねません。特に子どもにとっては深刻な事態となりえます。そこで6ヵ月~15歳の子ども全員に、早急に予防接種をする必要があったのです」ワクチン接種は3日間で終わり、接種率は76%に達した。

ワクチンとワクチンの低温輸送システムは保健省が提供、接種はMSFが担当した。
ワクチンとワクチンの低温輸送システムは保健省が提供、
接種はMSFが担当した。

しかし市場に仮住まいを求めてやって来た国内避難民家族の生活状況は、今なお極めて厳しい。ムフタール医師は説明する。
「この建物には、4500人が暮らしています。こうした過密状況では、急性の下痢やコレラなどが急発生しかねません。さらに言えば、建設工事が完了していない、この建物自体も危険です」

MSFは避難民のニーズに対応するため、新たなキャンプの設置を検討している。ムフタール医師はこうつけ加える。
「彼らに、まともなキャンプをただちに設営する必要があります。そうすれば、避難してきた家族の仮住まいが整備しやすくなりますし、清潔な飲料水、仮設トイレ、シャワーも十分に確保できます」

武力闘争で住む場を追われムンダに避難民家族に援助を届けつつも、MSFは隣接するバジャウル自治区にいまも残る人びとが直面している状況に懸念を募らせている。バジャウル自治区における潜在的医療ニーズを調査することも検討している。


MSFは1998年以来、パキスタンで武力紛争による被害と、医療を受けることが困難な状況にあるパキスタン人およびアフガニスタン難民に、無償で医療援助を行っている。同国内の活動地は、北西辺境州、連邦直轄部族地域、バロチスタン州、カシミール地方である。

MSFはパキスタンにおける援助活動を、いかなる政府あるいは資金拠出機関からの寄付も受けずに、市民による寄付のみで運営している。

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