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ハイチ:MSF会長、ハイチ人現地スタッフへの取り組みに感謝を表明(1月24日現在)

2010年01月26日掲載

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自宅や家族を失ったにもかかわらず、国境なき医師団(MSF)のハイチ人現地スタッフは現地の人びとに緊急医療を提供し続けている。また、MSFインターナショナル会長はポルトープランスを訪れ、犠牲者への哀悼の意と、活動を続ける現地スタッフに心からの感謝を表した。


「外国の人びとが命懸けで治療してくれるなら、ハイチ人の私も同じことをしなくては」

MSFのハイチ人外科医フィリップ・ブルアー医師。
MSFのハイチ人外科医フィリップ・ブルアー医師。

ハイチ人外科医フィリップ・ブルアー医師は2006年以来、首都ポルトープランスにあるトリニテ病院の外科治療プログラムで活動している。地震直後、彼が当病院の外科治療センターに着くと、病院は一部ががれきの山となり、スタッフ2人と患者数人が亡くなっていた。MSFはただちに生存している患者を病院から避難させ、戸外で治療を続けた。一方、周辺地域からは多くの負傷者が機能停止状態にある病院に押し寄せた。地震発生の現地時間12日当日、ブルアー医師はトリアージ*に従事し、緊急処置をもっとも必要としている患者の特定にあたった。さらに、震災後2日目には、仮設の手術室で切断手術にもこぎつけた。損壊した病院の手術室は、もはや使用できる状態ではなかった。

*トリアージ:患者の重傷度・緊急度などに応じて治療優先順位を決めること

ブルアー医師は回想する。「患者さんたちは私の体をたたくなどして、ずっと注意をひこうとしていました。『先生、ここです。忘れないでください!』というのです。やれることはすべてやるのですが、呼びかける人が次から次に出てくるのです。もちろん私たちは優先順位をつけて患者さんを診ざるをえないのですが、だれかを診ている間、ほかの人に声をかけることも忘れません。言葉を語りかけるのです。『心配しないで、すぐいくよ』と」

ブルアー医師は、自分の家族が無事で、自宅がいまも姿をとどめていることを幸運だったと語るが、今回の地震で何の影響も受けなかったわけではない。
「1日中患者に集中します。とにかく治療するのです。でも、家に帰れば、メディアを通して国全体の状況がわかり、心をかき乱されます。がれきの山になったスーパーや倒産するリスクを抱えた銀行などを目の当たりにします。1週間、1ヵ月後、1年後、自分の生活はどうなっているのか考えずにはいられなくなるのです」

ハイチ人現地スタッフの多くは家と家族を失った。MSFのマルティッサン病院で働くソーシャルワーカー、シャルル・ジョセフは今回の地震で従兄弟1人を亡くし、自宅は全壊したと語る。
「私たちは子どもたちと一緒に路上に寝泊りしています。妻も、ほかの家族みんなもです。今回の地震災害は、すべての人にかかわることです。だから、活動に出てきました。他の国から外国人の人が命懸けでここに来て、人びとを治療してくれるなら、ハイチ人の私も、同じことをしなくてはなりません」

ハイチ人現地スタッフの献身的な取り組みと懸命の働きは、特に今回の地震直後の救命に大きく寄与した。被災前は、MSFのもとで800人以上のハイチ人現地スタッフが首都にある病院3ヵ所で活動していたが、現在、スタッフ4人の死亡、6人の行方不明が確認されている。

「私たちはいつも皆さんとともにあります」

ポルトープランスでMSFスタッフと話す、MSFインターナショナル会長のクリストフ・フルニエ医師。
ポルトープランスでMSFスタッフと話す、MSFインターナショ
ナル会長のクリストフ・フルニエ医師。

MSFインターナショナル会長のクリストフ・フルニエ医師はポルトープランスを訪れ、地震の犠牲となったハイチ人現地スタッフに哀悼の意を、また、ハイチという国も国民も甚大な被害を負ったにもかかわらず、活動を続けるハイチ人現地スタッフに、心からの感謝を表した。

フルニエ医師はマルティッサン病院での打ち合わせで、ハイチ人現地スタッフにこう語った。「世界中にいるMSFのだれもが、皆さんの痛みと悲しみを分かち合っています。私たちは、皆さんのことを思っています。皆さんのあまりにも多くが、ご家族やご友人、そしてご自宅を失われました。それでも、皆さんは人びとの命を救い、治療にあたるために、ここに集まってくれています。全MSFを代表して、私は皆さんに感謝の言葉を述べるとともに、私たちはいつもともにあり、皆さんが今回の地震から回復していかれる間も皆さんを支えていく所存であることをお伝えしたく思います」

ポルトープランス市内の路上で、人びとはがれきの中で生活を立て直そうと懸命になっている。ブルアー医師は語る。「私たちはハリケーンには慣れているのですが、地震は全く予想もしていませんでした。復興には時間がかかるでしょう。この国は物資の面でも人材面でも甚大な被害を受けました。偉大な人や、多方面で活躍しえた人びとを失いました。彼らの後に続く人がいなくてはなりませんが、それには時間がかかるでしょう。この国は、これからどうなるのでしょうか?」


 

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