ハイチ:地震発生から3日めの現地状況(1月15日現在)
2010年01月20日掲載
首都ポルトープランスで活動している国境なき医師団(MSF)は、外科治療の拡充に力を注いでいる。
医療活動は、時間との闘い
シテ・ソレイユ地区のショスカル病院では、MSFの施設に移送された患者300人を治療するために手術室2室を稼働させている。また、他の医療スタッフが各自の活動する診療所で、傷の応急処置を至急必要としている何百人もの患者への対応を続けている。マテルニテ・ソリダリテ病院の損壊した建物から運び出せた医療機器は、ショスカル病院に持ち込まれた。感染した傷には迅速な手当てが必要なため、医療活動は時間との闘いである。現在、テント製の手術室の設備と外科専門医が現地へと向かっている。だが、現地入りと輸送上の問題が多く、スタッフの移動は空路でも陸路でも遅れている。
かつてMSFトリニテ外科治療センターのあった場所の前とパコ・リハビリセンターでは、引き続きテント内での治療が行われており、1000人を超える患者が一次医療を受けている。救急処置室で活動しているメゴ・タージアン医師は、こう説明する。
「トリアージ*、負傷者の容態の安定、外科手術を要する患者の搬送が、医療上の優先事項です。放置された遺体は被災者にストレスをもたらす要因という意味では問題となりますが、現状では、死亡理由が感染にまつわるものではないので、遺体に関連した感染症の危険はありません」
*トリアージ:患者の重傷度・緊急度などに応じて治療優先順位を決めること
首都周辺地域での医療ニーズにも対応
目下最大の問題は、基本援助物資の供給と輸送である。食糧は急激に不足しており、水の不足も市内の緊張に拍車をかけていることから、懸念が深まっている。MSFはショスカル病院の患者と周辺の人びとに、飲料水のトラック輸送を始める準備を整えている。
首都全体のニーズは膨大で、MSFは首都周辺の町から深刻な被害と犠牲者に関する報告を次々と受けている。MSFは今後、どのような貢献ができるか見極めるために、これらの地区内に赴く予定である。現在は移動診療を計画している。また、常に優先度が高く、継続が必要な産科医療も検討している。今回のような大規模災害では、心理ケアも今後提供が必要となる分野である。
MSFはポルトープランス空港に貨物機2機を着陸させることができたが、ハイチ国内では航空機用燃料不足などのため、他の貨物機は隣国ドミニカ共和国の首都サントドミンゴに回らざるをえなかった。この場合、人員も物資も陸路でハイチ入りしなければならない。1月15日中にさらに25人のMSFスタッフが首都のチームに合流する予定である。
関連情報
- 2012年1月12日
- ハイチ:大地震から2年――医療施設の受け入れ拡充の取り組み続く
- 2011年10月25日
- ハイチ:「コレラのワクチンは流行を食い止める手立てとなるか?」
- 2011年10月21日
- ハイチ:北県でのコレラ対応を保健省に引き継ぐ
- 2011年10月21日
- ハイチ:大地震の後コレラの猛威に晒されて1年、MSFの援助活動
- 2011年10月20日
- ハイチ:コレラ発生から1年。対策が不十分で人びとの命が現在も脅威に















