ハイチ:悪化するポルトープランス市内の現状-MSF広報担当者の報告-(1月17日現在)
2010年01月19日掲載
ハイチの首都、ポルトープランスで活動を続ける国境なき医師団(MSF)広報のイサベル・ジョンソンが、市内の圧倒的な窮状を伝える。
悪化する市内の衛生状態と、人びとの余震への恐怖

ポルトープランスの市内の様子。被災者への支援はいまだ
全く足りていない。
現地で活動する援助団体や機関が数少ない中、状況は今も危機的です。首都ポルトープランス市内全体で、建物の中から人びとを救助している重機やトラックを4~5台しか見かけていないのです!
市内では、遺体が熱帯気候の中で腐敗して、悪臭が立ち込めている所もあります。被災者が集まる場所周辺、衛生設備もシャワーも簡易トイレさえもない中で、空き地に数百人単位でかたまって寝ているため、においはひどいものです。夜半には、路上で寝ている人を踏みつけないように気をつけなければいけません。私はまた新たな地震が起こった場合に、ビルが倒れてくるのを避けるために、交差点の真ん中で寝ている人を見かけました。
*トリアージ:患者の重傷度・緊急度などに応じて治療優先順位を決めること。
手術室の設営から24時間以内に治療を開始
16日からMSFは外科処置を提供し始めました。手術室の設営から24時間以内に治療を開始したのです。私と活動責任者、そして看護師1名が15日の朝、調査のためカルフール地域にある無人の病院を訪れ、午後にチームが現地に行って病院内を片付けたことを考えれば驚くべきことです。手術室1室を使用できる状態にし、チームがこの短時間に手術室を新たに設置して使用できる状態にしたスピードと働きぶりには驚きました!
16日の午後6時頃、もう暗い中、ポルトープランスから車で1時間ほどのレヨガンでの調査から帰ってくるときに、私たちは住民が設けた検問所をいくつか通りました。彼らは遺体を運んでいたピックアップトラックの荷台に上がってきました。この人たちは運転手が遺体を町に遺棄していくといって、ものすごく怒っていました。そんなわけで、ポルトープランスに向かう道の10kmにわたって、検問所が設けられていたのです。人びとはこの事態に怒っていますが、もしだれかが、私の住む町に遺体を放置したら、私もそう思うと思います。私たちが検問所に差し掛かったときは問題なく通ることができ、人びとは私たちに尊敬の念を寄せてくれます。
路上ではあちこちに小さなたき火があり、煙たく、においもただよっています。そして、建築の残がいやコンクリート、電線、排泄物が、市内に散乱しています。私たちがいるペスィョンビルはそれほど混雑していませんが、路上には寝泊りしている人びとがいます。16日夜は、チームのだれもがわかるほどひどいにおいが、宿舎の窓から入ってきました。このチームは多くのストレスにさらされています。なぜなら、外科治療を行うにも、あまりにも限られた状況で活動せざるをえないからです。私は昨日一人の外科医と話しました。緊急手術が必要な患者を5人見たとのことでした。しかし、彼は、まともな手術室がなく、命を救うことができない事実に憤っていました。私たちは手術を行う場所をもっと必要としています。テント病院が届いてくれれば状況はましになりますが、それはまだいつかわかりません。
そんなわけで、状況は悪化しています。3日前はひどい容態ではなかった患者も、状態が悪化しているのです。これは、予防可能な病気で感染症によって、人びとが命を落とすことを意味しています。ひどいものです。人びとが必死に助けを求めているときに、命を救う手助けをできないほどつらいものではありません!
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