ハイチ:MSFの物資援助の活動状況-プログラム責任者へのインタビュ-(1月16日現在)
2010年01月19日掲載

ドミニカ共和国からハイチに向かうMSFの海外派遣のロジス
ティシャン(物資調達管理調整員)。
ロラン・デデューは、ハイチにおける国境なき医師団(MSF)のプログラム責任者である。1月12日に地震がポルトープランスを襲って以来、彼は現地のチームと頻繁に連絡を取り、MSFの物資援助活動の手配を支援している。現在取り組んでいる活動の課題について、彼は次のように語る。
Q.現在、チームが取り組んでいる物資援助活動には、どのような問題がありますか?
A.現在、私たちは非常に条件が悪い中で、なんとか患者の治療を試みています。最大の問題は、治療を行う医療施設がないということです。しかしながら、テント病院が明日到着する予定で、これを設置するのに十分な広さのスペースも確保できました。これで来週末までに外科手術機能を備えたベッド数100床の病院ができます。
Q.水や電気といった手術に必要な他の物資はどうですか?
A.私たちは約1週間分の水を蓄えており、発電機も備えています。病院には、衛生設備やレントゲンなどすべての物資が完備されています。発電機に接続すればすぐに使える「プラグ&プレイ」式の病院です。
しかし、今後は燃料供給が最大の問題となるでしょう。市内にはディーゼル燃料が全くありません。私が連絡を取っているMSFのプログラムでは、現在多くても2~3日分程度しか燃料の備蓄がありません。ですから、ドミニカ共和国のサント・ドミンゴまたはマイアミのいずれか経由で緊急供給網を手配する必要がありますが、まだいずれがよいかわかりません。
Q.チームは他の補給品をどのように受け取る予定ですか?
A.今日、20人の海外派遣スタッフがポルトープランスに到着し、明日はさらに15人が到着します。2機のチャーター機は、これらのスタッフと、ボルドーのロジスティックセンターに備蓄されていたテント病院設備および医療物資を運び込みます。これが私たちの最優先課題です。次に優先的に取り組むのは、供給網の確立です。地震が発生する前のハイチでは、アメリカから輸入された物資があり、何でも手に入れることができました。しかし、これらの業者は、数週間は然るべき供給網ライチェーンを確立することはできないでしょうから、自分たちで手配する必要があります。
サント・ドミンゴからの道が開通しているのはわかっています。また、海上輸送の可能性も調査中ですが、問題は、街の港が被害を受けていることです。ですから、国内の被害を受けていない他の港を使う必要があるかもしれません。
Q.空輸には、まだ多くの問題があるのですか?
A.空輸は今でも非常に困難です。主な問題は、ポルトープランス空港の設備が限られているということです。一度に駐機できる飛行機の数に上限があり、上限数に達すると、着陸を停止しなければなりません。何機かが予定より長く駐機していると、遅れが発生します。照明設備も被害を受けて不足し、夜間は着陸ができないため、通常の半分の時間しか到着便を受け入れられません。このような問題がいつ解決されるかはわかりません。だから、多くの時間を割いて関係当局者と連絡を取り、私たちの飛行機を着陸させてくれるよう要請する必要があるのです。
Q.ポルトープランスには、このように膨大な食糧と水のニーズがありますが、MSFはこれらに対応する予定はありますか?
A.基本的に、食糧や水を手に入れられず、衛生設備を利用できなくなった人は300万人います。これは非常に大きな課題です。私たちは街全体を助けることはできませんが、部分的にこの問題に取り組むことはできそうです。私たちは現在水の供給活動を行っていませんが、するとしたら、アクセス可能で汚染されてない水源を確立する必要があります。第2のステップとして、集水のための掘削、または海が近いので塩水処理など、他の方策について検討する必要もあるでしょう。
Q.これまでにMSFチームが治安の問題に直面したことはありますか?
いいえ。しかし、住民たちはまだ非常な緊張状態にあり、また地震がやってくるとか、海面が上昇するといった噂が飛び交っています。それが一種のパニックを引き起こす可能性があります。また、食糧と水の不足を巡る緊張もあります。私たちはMSFの標準安全規則を定めています。それは、自らを名乗ること、日没後の活動を制限すること、行き先を制限すること、医療施設への銃の持ち込みを禁止すること、そしてもちろん、地域をしっかりと調査することです。また、質の高い援助活動を行うことも安全対策となります。
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