ハイチ:地震被災者への治療体制は拡充するも物資補充面の課題は続く(1月19日現在)
2010年01月19日掲載
ハイチの首都ポルトープランスで活動している複数の国境なき医師団(MSF)チームは今も通常の規模を大きく超えた患者への対応に懸命の努力を続けている。緊急手術を行えるように新たな施設を引き続き探すとともに、医療物資の補充にも尽力している。
病院では依然、患者が廊下や表にまであふれる状態

首都ポルトープランスで、負傷者の治療にあたるMSFスタッ
フ。現在も医療物資の補充が非常に厳しい。
現在までに推計3000人に治療を行い、市内の400人以上に手術を実施した。重傷のうち最も多くみられるのは、開放骨折、頭部のけが、感染を起こした傷で切断手術を必要とする症例である。同時に、MSFはポルトープランス市外に出て、周辺地域でも住民が医療を受けられるように活動を行っている。
MSFの緊急対応コーディネーターの一人、マリー=クリスティン・フェリールは、全体的な状況は依然として非常に厳しく難しく、治療を受けるにも市内の負傷者があまりにも長く待たされていると語る。
「病院は患者が廊下や表にまでいる状態が続いています。MSFが体制を拡充したことや、他の援助団体や機関が駆けつけていることから、ポルトープランス市内の外科治療体制はわずかながら増えましたが、手術を必要とする急患数を吸収するには程遠い状況です。私たちは非常に重いけがを負った人たちに外科処置を行う救命救急治療を優先しています」
手術室2室を備えたテント病院はパーツ別に空輸されていたが、19日に組み立てに入った。一部は18日に空港に届いていたが、残りがドミニカ共和国から陸路輸送となったためである。テント病院を設置する場所が決められ、使用開始に向けて建設が始まっている。
多数の負傷者が確認された首都の外でも新たな医療活動を開始
他のMSFチームのいくつかは、首都の外に赴き、かなりの規模の被害と負傷者数を確認した。震源地に近く、ハイチ南岸にあるジャクメル町では、建築物の約60%が損壊した。とはいえ、現地の病院は部分的な被害を受けながらも手術室はまだ使用できる状態である。道路が封鎖されているため、すべての輸送をヘリコプターで行わなければならないが、MSFは現地での活動を可能な限り早く開始する予定だ。首都から沿岸を40km北上した場所にあるサンマルク地域は、被害が比較的少なく、ポルトープランスから数千人が避難してきている。MSFはここにも新たな医療施設を開設する準備を進めている。レヨガンは首都西部に位置し、深刻な被害を受けた地域だが、MSFはここにも新たな治療施設を1ヵ所開設した。
全体としては医療物資の状況が懸念されている。この6日間で在庫の大半を使ったものの、その後の補充が非常に難しい状況である。ポルトープランスへの便は、援助活動などの便が集中し、滑走路も不足していることから、いまだ制限が厳しい。18日に到着予定だった貨物機はドミニカ共和国に着陸するように指示を受け、ここからの道路は渋滞し、到着が遅れている。
幸い、人員の問題は改善しつつある。地震発生以来、130人以上の海外派遣スタッフが新たに現地入りした。派遣者はハイチで地震発生以前から活動していたチームを支援している。この間、ハイチ人現地スタッフの多くは生命の危険や家族の死去があったにもかかわらず活動に参加していた。MSFは一部のスタッフとまだ連絡がとれておらず、その安否は不明となっている。
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