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パレスチナ・ガザ地区:MSFは2009年上半期に活動規模を拡大

2009年11月19日掲載

戦時下のガザ地区では、国境なき医師団(MSF)の3人の外国人派遣スタッフ(活動統括責任者、看護師、医師)と60人のパレスチナ人医療スタッフが、激しい戦闘や地域内の移動中に生じる危険を乗り越え、人びとを支援するため尽力した。


MSFはガザ地区の各病院と毎日連絡をとり、けがややけどを治療するための医薬品や救急キットを定期的に搬送できる体制を整えた。術後ケアを提供するガザ市のMSF診療所では、連日20~50人の治療を行った。

一方、負傷者や病人は戦闘で危険なため、病院や医療施設に足を運べず、自宅にとどまっていた。病院に運ばれるのは、救急患者だけだった。人びとが十分に医療を受けられない事態に対処するために、MSFのパレスチナ人医師や看護師は、救急キットをたずさえ、それぞれの自宅周辺で往診を行い、275人の患者に初期救急治療を行った。

爆撃を受けて学校や集会場などに避難した2万5000人の中にいた医師たちは、医療物資や医薬品の提供を受けて周囲の人びとの治療にあたった。停戦直後には、緊急外科治療チームおよび空路搬送されたエアーテント(空気でふくらませるテント)2張りを含む医療物資21トンが、ようやくガザ市内に入った。

戦後の状況に則して物資や人材の不足に対処し、できる限り人びとのニーズに応えるために、MSFは活動規模を拡大、スタッフの数を倍増して、活動範囲をガザ地区全体に広げた。

【2009年の1月から6月の活動状況】

- 診療所や移動診療で、戦禍を被った患者の術後ケア

ガザ地区北部のベイト・ラヒア、南部のハン・ユニス、およびガザ市内にある診療所では、医療チームが757人の患者に術後ケアを行った。そのうち70%は砲弾、18%は銃弾による負傷者であった。これと並行して、7つの移動診療チームが患者の家を毎日巡回し、同様の術後ケアと理学療法を提供した。専門チームは毎週600回の包帯交換とおよそ950回のリハビリ・セッションを行った。

- 仮設病院に設置した手術室での専門的な外科手術

ガザ市中心部には、エアーテントの仮設病院内にベッド11床の手術室2部屋を設置した。 MSFの医療チームは、創外固定器(骨折が治るまで骨に金属性のピンを刺入して固定し、骨融合を促す機器)の取り外しや皮膚移植、創縁切除(壊死もしくは感染した組織を取り除く手術)、やけど後の瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく:やけどや外傷などの傷跡が引きつって起こる)除去手術を含む専門的な外科手術303件と、およそ1300件の診察を行った。

- 援助活動従事者の心理ケア

活動従事者の心理ケアのニーズ拡大に対応して、活動を強化。心的外傷後ストレスを軽減するため、心理療法士5人からなる専門家チームが活動している。6ヵ月間で患者393人が治療を受け、5831件の診察が行われた。


MSFは2000年からガザ地区で活動を行い、パレスチナ人現地スタッフ126人と外国人派遣スタッフ8人が従事している。(パレスチナ全体では1988年から活動)

ガザ地区における戦争とMSFの活動については特集「ガザ進攻」をご覧ください。

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