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アフリカ睡眠病:治療の進歩が、なおも直面する課題

2009年11月掲載

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このほど、アフリカ睡眠病(アフリカトリパノソーマ症)の治療に、著しい進展がもたらされました。世界保健機関(WHO)が、この病気が進行した患者への新たな治療薬として「NECT」を承認したのです。しかし、この治療法の導入の前には、いまだ大きな壁が立ちはだかっています。


医療環境の厳しいアフリカ諸国の患者に朗報

医薬品ニフルチモックスとエフロルニチンの併用療法であるNECTの効果は既に立証されており、従来の治療法のような激しい副作用もない。また、より安価で、運搬も容易だ。これらの点は、人材や物資に乏しく、医療制度も十分に機能していない場合が多いアフリカ諸国の患者にとって、大きな利点となる。

アフリカ睡眠病は、治療をしなければ100%死に至る病である。しかし、医療制度の不備が原因で、治療自体が行われていない場合が多い。その一例が、国境なき医師団(MSF)が2007年から活動を行っているコンゴ民主共和国(以下、コンゴ)のオリエンタル州である。

今年に入って、この地方全域で情勢が危険なレベルに達したことから、MSFはアフリカ睡眠病プログラムの終了を余儀なくされ、数千人の患者が命にかかわる治療を受けられなくなっている。さらに、現地チームにより、長い間感染がみられなかった地域にもアフリカ睡眠病の拡大が確認されたことも懸念の材料である。この地方の公共医療機関は、人材や設備の不足、および治療の複雑さが原因で、MSFの活動を引き継ぐことができていない。

このように、NECTの使用が認められたことは、この死に至る病に苦しむ患者たちにとって良い知らせとはいえ、なおも、多くの課題が残っている。

立ちはだかる治安情勢や人材・設備の壁

コンゴのように危機的状況にある国の、いつ戦闘が発生してもおかしくない地域では、治安状況が改善しない限り、治療の実施は不可能だろう。また、必要な人材・設備の動員や医療制度の大幅な改善も必要となる。

これらが実現してはじめて、死に至る病の犠牲者となる可能性、そしてまん延する暴力によって命を奪われる危険という、二重の苦しみを受けている何千人という人びとが、治療を受けられるようになるのだ。


 

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コンゴ民主共和国:オー・ウエレ地方でのアフリカ睡眠病治療が停止
国境なき医師団(MSF)が2007年6月から今年3月までコンゴ民主共和国オー・ウエレ地方で行ってきたアフリカ睡眠病(アフリカトリパノソーマ症)の治療は、治安情勢の悪化により中断を余儀なくされています。

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活動ニュース(情報発信日 2009年11月9日)
アフリカ睡眠病:紛争地帯における治療の課題と、さらなるリスクへの対応

以下の文章は、2009年9月10日付でウェブサイト「Humanitarian Practice Network」に掲載されたMSFオペレーション・ディレクターのフランソワ・シャピュイ医師と、MSFアフリカ睡眠病担当のブルーノ・ヨッフムによる寄稿である。
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