ハイチ:MSFが首都ポルトープランスに救急産科病院を新設
2009年10月26日掲載

国境なき医師団(MSF)はハイチの高い妊婦死亡率と継続的な武装勢力間の衝突に対処するため、2006年3月に首都ポルトープランスに救急産科医院を開設した。このジュード・アン病院は、首都の最貧地域に住み、救急産科ケアをほとんど受けられない最も危険な状態にある女性の援助を目的としていたが、予想外の出産の多さに対応するため、MSFはこのほど、新たな病院に活動の場を移した。

マテルニテ・ソリダリテ病院で新生児の状態をみるMSFの
看護師、コンスタンティナ・マフェッゾーニ。
当初、MSFは一月あたり300件の出産を見込んでいた。だが、2006年9月、医療チームは約30分に1人の割合で、計1300人の新生児を取り上げた。こうした予想外の出産の多さに対応するため、チームは2009年2月に新たな病院施設に移動した。マテルニテ・ソリダリテ病院と名づけられたこの病院は、救急医療を必要とする女性のために、サービスと医療の質を向上させるためのスペースをより広く設けている。
潜在的に危険な状態にある妊婦を特定するため、MSFのアウトリーチ活動*チームがポルトープランスのスラムを定期的に訪問している。チームは妊婦に対して、出血や尋常でない頭痛など、救急医療が必要と思われる徴候の見方を教えている。また、熱心な聴衆を前にハイチ語で歌を歌ったり、ゲームをしながらメッセージを伝えている。
2つの移動診療チームもスラムを訪問し、妊婦に対して居住地付近での産前ケアを提供している。また、妊婦にHIV検査を行い、必要な場合は胎児の健康を守る薬を提供する病院に移送してHIV/エイズの母子感染を防ぐプログラムも設けている。さらに、産前・産後ケアおよび心理・社会面からの支援も提供している。
ポルトープランスで救急産科プログラムを開始して以来、MSFは4万人を超える新生児を取り上げてきた。この数字は、スラム地区に住む女性向けの救急産科ケアが大規模かつ継続的に必要であることを明示している。
MSFはまた、ポルトープランス市内にある他の病院でも医療を提供している。
*アウトリーチ活動:こちらから出向いて、援助を必要としている人びとを積極的に見つけ出し、サービスを提供すること。
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