• English
  • 한국어

RSS

ご寄付に関するお問い合わせ・資料請求は フリーダイヤル 0120-999-199

寄付する

  1. TOP
  2. 活動ニュース
  3. ニュース
  4. アフガニスタン:病院への銃の持ち込み禁止と医療無料を徹底

アフガニスタン:病院への銃の持ち込み禁止と医療無料を徹底

2009年10月20日掲載

Bookmark and Share

20090914_n01.jpg

国境なき医師団(MSF)は、5年ぶりにアフガニスタンでの活動を再開した。いまだ負傷者の絶えない状況、MSFが支援を再開したアーメッド・シャー・ババ地区病院での活動などについて報告する。


人口が急増するカブール周辺地域と負傷者の絶えない現実

MSFが活動するアーメッド・シャー・ババ病院の外観。
MSFが活動するアーメッド・シャー・ババ病院の外観。

首都カブール東部のアーメッド・シャー・ババ病院では、午前11時半になると、ほとんどの患者は診察を終えている。外来患者は朝早く病院にやってきて、診察や治療を受けるために列を作り、日中一番暑くなる時刻には帰宅している。スタッフが昼休みをとる直前になると、救急処置室に患者1人、産科病棟に妊婦2人が残っているだけである。予防接種室と待合室だけは、鮮やかな青いブルカをまとった女性とその子どもたちでにぎわっている。記録によると、この日、この時点ですでに150人が接種を受けていた。

アーメッド・シャー・ババ病院は、カブール周辺の人口増加地域にある。2004年、国境なき医師団(MSF)が活動を停止した時点での人口は約8万人だったが、今は急増している。現在の人口は知るよしもないが、少なくとも2~3倍に拡大していると言われる。ジャララバードから流入する人や、はるか国境を渡ってパキスタンから帰国する難民もいる。アフガニスタンへの海外からの援助に期待して、職を求めてカブールにやってくる人がほとんどである。しかし、期待が裏切られることも多く、失業率は高い。

救急処置室を見れば、こうした問題が浮き彫りになる。当直の医師は、病気よりも負傷者の診療が多いと説明する。この病院が、カブールとジャララバードを結ぶ交通量の多い2本の道路の間に位置していることもあり、交通事故でのけがが圧倒的に多いという。あわせて多いのが、刃物による負傷や、戦闘での流れ弾による銃創である。当直医はいう。
「人びとは土地をめぐって争ったり、単に失業状態に耐えられなくなって争うこともあります」

アーメッド・シャー・ババ病院を救急対応可能な病院へ

アーメッド・シャー・ババ病院で、看護師から予防診療を受ける少女。
アーメッド・シャー・ババ病院で、看護師から予防診療を受け
る少女。

アーメッド・シャー・ババ病院は、この地区の中核病院になりつつある。MSFは現在、ここを救急病院として機能できるように整備しているが、これまでは、救急医療を受けるために、少なくとも1時間離れた施設に搬送しなければならないケースが多かった。MSFはアーメッド・シャー・ババ病院の施設を充実させ、手術室と患者が医療関係者の観察下で入院できる施設を新たに作る予定だ。また、広く医療や薬を改善する準備も進めている。

援助はまだ始まったばかりである。昨日、顔、腕、足の至る所にやけどを負って救急外来に運び込まれた女性患者に、初めてMSFの医師による診察と治療が行われた。自宅の台所でガス調理器が爆発したことによるものだった。女性の医師でなければ、ブルカで覆われた女性の診察をすることはできない。マリアは対応できる唯一の女医だった。マリアは患者の胸全体にも重度のやけどがあるのを見つけ、手当をした。そして今日は、MSFの看護師1人が呼ばれ、分娩を介助している。看護師のリーンによると、出産は問題なく終わり、元気な女の子が生まれたという。

MSFのプログラム・コーディネーター、シルビー・カチュマルチクは、MSFが前回活動を中止したあと病院の運営を引き継いだNGOが3ヵ月前に活動を終了したことについて、次のように述べた。

「私たちが意図するのは、ここに割り入って、彼らの活動を引き継ぐことではありません。この病院がこれまで支援なしに機能してきた様子には驚きました。現在、建物の一部の修繕や増築に着手しています。将来的にこの病院が、救急医療などあらゆる医療を提供し、地区の拠点病院として十分機能できるように整備していきます」

病院非武装化と医療無料化への取り組み

「武器の持ち込み禁止」規則を導入したにもかかわらず、今朝の救急病棟には銃を携帯した警察官がいた。そのため、サッタル医師が警察官にこの決まりについて通知しなければならなかった。また、今日は9人の警備員に、全訪問者に玄関に銃を置いてから入館するよう、どのように説得すればよいかを含め、初めての指示が与えられた。「この規則は警察と軍だけでなく、ISAFにも適用されます」と、カチュマルチクは警備員に説明する。ISAFとは、アフガニスタンに駐留する国際治安支援部隊のことである。

もうひとつの優先課題は、診察費や治療費の無料化の徹底である。病院長のサッタル医師は、産科病棟入口に設けられた新しい看板を誇らしげに指さした。看板には次のように書かれている。「外来患者診察室のスタッフに金品を送ることは禁止されています。このような行為に気づいた方は、アーメッド・シャー・ババ病院長にご連絡ください。電話番号は……」

カチュマルチクは、MSFがアフガニスタンでの活動を再開したことは重要だと話す。
「一目で、これは意義のあるプログラムだとわかります。人口増加に伴う急速な都市化に医療が追いついていない状況があるからです。医療施設の充実した都市部からは離れているため、市民が医療を受けることが困難です。しかし、これは必ずしもアフガニスタンに限った問題ではありません。重要なのは、現地での活動を通じて、アフガニスタンの現状をより明確に理解することです。いま言えるのは、事態は悪化しつつあるということです。治安が不安定になり、医療システムもぐらついています。そして、いつものことながら、その犠牲になっているのは一般市民です」

アーメッド・シャー・ババ病院への支援は、2004年に5人のMSFスタッフが殺害された後、MSFが5年ぶりにアフガニスタンでの活動を再開したことを契機に始まった。

数週間以内にMSFは、ヘルマンド州の州都ラシュカルガ市にある病院の整備にも着手する予定である。同州では、ISAF軍、アフガン軍と武装反政府勢力との間で激しい戦闘が行われている。


MSFはアフガニスタンにおける援助活動を、いかなる政府あるいは資金拠出機関からの出資も受けずに、一般市民からの寄付金のみで運営している。

Bookmark and Share

関連情報

2011年10月18日
アフガニスタン:北部で唯一の外傷治療センターを開院
2010年12月3日
アフガニスタン:武器のない病院で無償の医療を提供――活動再開から1年
2010年12月3日
アフガニスタン:「医療ニーズは増大していくでしょう」―活動責任者のインタビュー
2010年12月3日
アフガニスタン:武器のない病院で無償の医療を提供――活動再開から1年
2010年12月3日
アフガニスタン:「紛争に巻き込まれて」―患者と家族のインタビュー

[アフガニスタン] に関連した情報を表示