コンゴ民主共和国:北東部でウガンダ反政府勢力「神の抵抗軍」による市民への攻撃が拡大、人びとへの緊急援助が求められる
2009年10月15日掲載

銃創が感染症を引き起こしたため、ニャンガラ病院に搬送さ
れてきた銃創患者のヴェロニク・マンダンガ(55)。
コンゴ民主共和国(旧ザイール)北東部に潜伏するウガンダの反政府勢力「神の抵抗軍(LRA)」がコンゴ北東部オリエンタル州オー・ウエレ地方において暴力行為を開始してから1年が経過した現在、LRAによる市民に対する攻撃や政府軍との衝突は隣接するバ・ウエレ地方へとさらに拡大し、数十万人が避難を強いられている。諸人道援助機関は、激しい攻撃にさらされているオー・ウエレ地方とバ・ウエレ地方の遠隔地における膨大な人道ニーズに対応出来ていない。国境なき医師団(MSF)は、緊急に大規模な対応を行うべきであると訴える。
2008年後半以降、オー・ウエレ地方とバ・ウエレ地方の市民はLRAによる攻撃、そしてウガンダ・コンゴ政府の合同掃討作戦による激しい衝突に巻き込まれている。状況が悪化するにつれ、人びとが暴力行為に直面する事態になっている。
MSFのアフリカ中部の活動統括責任者、ルイス・エンシーナスは次のように話す。「現地の人びとは、殺人、誘拐、性暴力といった暴力行為の標的になっています。この暴力行為は人びとに恐怖を植え付けるために行われています。私たちが受け入れる患者はおそろしく残虐な話を語っています。両親を殺害するよう命令された子どもたちや、生きた状態で自宅に火を放たれて亡くなった人たちなどです。」
暴力行為と度重なる武力衝突はさらに拡大し、コンゴ北東部では東端のオー・ウエレ地方から西隣のバ・ウエレ地方、また、コンゴと隣接するスーダン南部と中央アフリカ共和国の東部でも発生するようになった。
ここ1年間で、暴力や戦闘により数十万人が避難を余儀なくされた。継続する攻撃により数千人が避難所と安全を求めて町に集まってきている。オー・ウエレ地方のドルマの人口はおよそ3倍に膨れ上がった。ガングラとバンダには、それぞれ2万人以上の避難民が暮らしているが、援助を受ける術のない状態に置かれている。これらの地域では周囲の野原まで人があふれ返り、一方で村は空っぽの状態になっている。
バ・ウエレ地方のディンギラやオー・ウエレ地方のニアンガラといった場所では、MSFが現地で活動する唯一の団体である。ニアンガラでMSFのコーディネーターを務めるピエール・ケルネンは語る。「この地域では毎日、新たに避難しなければならない人がいます。彼らはこれまでに幾度も命がけで逃げざるを得なかった人たちです。彼らは親戚の家や無人の建物などに身を寄せていますが、そこですら安全ではありません。MSFは医療と心理・社会面での援助を提供していますが、それでも限界はあります。このような人びとは食糧や清潔な水、避難所や適切な生活環境を必要としています。」
治安の悪化と特に遠隔地域には道路がないため、MSFはほぼ全ての活動地へ物資や医薬品を輸送する際や、スタッフの移動にも飛行機を利用しなければならない。エンシーナスは次のように話す。「人道援助をこの地域の人びとに届けることは私たちにとっても挑戦です。けれども私たちは現在続く紛争が人びとに及ぼした人道危機に対して、さらなる援助を行う必要があり、またするべきであると信じています。人道援助従事者は戦闘による被害を受け、これまでのところ顧みられていない地域においても緊急に人びとのニーズに応えるべきだと思います。」
MSFは現在コンゴ民主共和国オリエンタル州バ・ウエレ地方のディンギラ、オー・ウエレ地方のドルマ、ドゥング、ドゥル、ファラジェ、ニアンガラで活動しており、複数の病院や診療所において1ヵ月あたり約9千件の診察を実施している。MSFは武力衝突による避難民1万6千人に対し、救援物資の配布や予防接種、心理ケアを提供している。オー・ウエレ地方とバ・ウエレ地方におけるMSFのプログラムでは、現在外国人スタッフ27人とコンゴ人スタッフ140人が活動している。
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