インドネシア:スマトラ島沖地震 MSFは援助の届きにくい地域に活動を集中(10月9日現在)
2009年10月14日掲載
インドネシアのスマトラ島を激しい地震が襲ってから10日が経ち、既にかなりの数の援助団体が現地で活動を開始している。そのため、国境なき医師団(MSF)は援助がほとんど届いていない地域に暮らす人びとに援助活動の中心を移しつつある。

地すべりによって寸断された道路。横倒しになった建物も
見える。
大きな被害を受けた村の中には、今でも援助に向かうことが非常に困難な場所もあり、震源地からさらに遠く離れた村々にはほとんど援助が届いていない。MSFはこれらの地域で移動診療を開始し、被災者たちに心理ケアを提供している。また、救援物資の配布や給水ポイントの設置も行っている。
MSFの緊急対応コーディネーター、レンゾ・フリッケは語る。
「今は多くの援助が到着して、地震の被害を受けたほとんどの地域に援助が届き始めています。そのためMSFは、援助をほとんど、または全く受けていない人びとに照準を合わせ、援助の空白地帯を突き止め、見過ごされている人びとのニーズに対応しようとしています」
このように今でもニーズが満たされない地域の一つが、村々や道路が地すべりで失われてしまった丘陵地帯のパダン・アライである。援助物資はオートバイや徒歩で運ばなければならないため、現地に届くまでに時間がかかる。MSFはこの地方で、被災者たちに毛布、ビニールシート、貯水容器などの救援物資の配布を開始しており、今後数日のうちにはさらに多くの村でもこうした活動を始める予定である。

パダン・アライ付近で開催された心理ケアのグループ
セッション。
パダン市南部では、別のMSFチームが活動を行っている。この地方は地震による被害は少なかったが、まさにそのために救援活動から大きく取り残されている。MSFは現地の保健当局と協力して、この地域の2つの村で移動診療を開始しており、今後さらに3つの村にも拡大する予定である。また、特に被害が激しかったパリアマン市近郊でも既に移動診療を拡大している。
救命を目的とする、緊急援助の初期段階はほぼ終わったとはいえ、家財を失った何千人もの人びとには、今後も医療を届ける必要がある。MSFのロレト・バルセロ医師は語る。「現在、多くの人びとが野外で暮らしています。衛生環境が整っておらず、清潔な水もほとんど手に入りません。今後、呼吸器感染症や下痢といった生活環境の不備から生じる病気の患者が増えることが予想されます」
最も被害の激しかった地域では、多くの被災者が心の傷を負っている。ほとんどの村人が家や全財産を失い、家族の誰かを亡くしている場合も多い。MSFの心理療法士は心の傷を負った人びとのグループセッションを行い、こうした苦しい体験に対処するための簡単な方法を説明している。また、最も深刻な状態にある人びとには、個別の心理ケアを始めている。
MSFは海外派遣スタッフと現地スタッフの医師、看護師、心理療法士、ロジスティシャン(物資調達管理調整員)、水・衛生活動の専門家ら合計80名近くを現地に派遣し、地震被害に対する援助を提供している。治療キット、医薬品、運搬・救援物資45トンを積んだ貨物機が既に到着しており、現地でもさらに物資を調達している。
関連情報
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- インドネシア:スマトラ島沖地震被災者の証言
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