パプアニューギニア:コレラ緊急対応速報 ―治療、啓発活動、衛生管理を強化―
2009年09月18日掲載

パプアニューギニアで50年ぶりにコレラが流行している。公式の統計によれば、感染地域は主にモロベ州東部に集中しており、これまでに283人の感染が確認されている。
感染急増に伴い、コレラ治療センターを特設

アンゴウ病院の玄関口の外側に設置したコレラ治療センター
にて活動するMSFスタッフ。
国境なき医師団(MSF)は、以前からラエ市で活動を行っていたため、この事態を受けてすぐにスタッフを動員し、コレラの流行に対応するパプアニューギニア保健省への支援を開始した。当初はアンゴウ病院内に隔離棟を設置して対応していたが、感染が急増したことから、同病院の玄関口の外側にひと続きのテントから成るコレラ治療センター(CTC)を特別に設置、このベッド数84床のCTCにおいて、これまでに90人の患者がMSFによる治療を受けた。
MSFの緊急対応コーディネーター、スティーブン・クーパーは言う。
「今のところ、ラエ市では感染の急激な拡大は確認されていません。しかし、コレラは非常に感染力の強い疾患なので、引き続き警戒していく必要があります。私たちは状況の監視と、感染地域から離れた地域での調査を続けています。また、コレラが小さな村落で発生しているという報告を受けており、状況を確認するために調査団を派遣しています。必要とあれば、すぐに対応できる準備を整えています」
コレラの正しい理解に向けた活動を強化

コレラ治療センターの現地スタッフ。MSFはコレラ
の流行が終息を迎えるまで治療を継続する。
パプアニューギニアでコレラの感染が確認されたのは50年ぶりのことである。このため、コレラの治療や予防に関する意識の向上や、コレラにつきまとう偏見をなくすといった課題が生じている。例えば、公共交通サービスの従事者の中にはコレラ患者の乗車を拒否する人もいる。このことは患者が治療を受けに行く手段を失うことを意味する。そのため、MSFはこの1~2週間、コレラに関する啓発活動に力を注いできた。また、水の塩素消毒や衛生教育に関する講習会を開催して、学校、薬局、地元NGOといった地域社会の鍵となるグループに指導を行った。
コレラは大量の嘔吐や下痢の症状を伴うため、患者は重度の脱水症状に陥る。非常に感染力が強いものの、厳格な衛生管理と安全で清潔な水の使用によって予防は可能である。治療もごく簡単で、多くの患者は脱水症状からの回復のため、適量の電解質を含有する経口補水液を用いた治療を受けている。重症患者の場合には、静脈への点滴が行われている。
MSFは流行が終息を迎えるまで、コレラ患者の治療を継続する。メンヤマ州ではコレラ以外にも赤痢とA型インフルエンザの流行が確認されており、MSFは医療調査チームを派遣することを計画している。
MSFは2007年以来、パプアニューギニアで活動を続けており、アンゴウ病院で性暴力や家庭内暴力の被害者に、無償の治療や心理ケアを提供している。また、タリ町に駐留するチームは暴力の被害者を対象に緊急医療と外科治療を提供している。
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