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中央アフリカ共和国:「病院も町も見捨てられていました」― 栄養治療プログラム 活動スタッフへのインタビュー ―

2009年09月18日掲載

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中央アフリカ共和国

国境なき医師団(MSF)は、中央アフリカ共和国(以下「中央アフリカ」)南西部のカルノー市一帯で2009年7月23日から栄養失調の治療を行っている。このプログラムの立ち上げに参加したアニー・ガダンはインタビューで、この活動の初期の様子を語った。


Q. この地方の栄養状態が懸念されていることを、MSFはどのようにして知ったのですか?

A. 6月中旬頃、カルノー病院の主任医師が、地元のラジオ局を通じて2回にわたり、警告を行いました。5月に着任した時、彼はこの地方の栄養状態が非常に深刻であることに気付き、病院でも重度の栄養失調の患者が見られるようになっていました。ラジオの放送を聞いて多くの人びとが病院を訪れました。医療チームが組織され、無償で数十人の重度栄養失調児を受け入れました。

中央アフリカでは医療は一般的に有料です。薬代、看護師への謝礼、場合によっては診察代や入院費用も支払わなければなりません。

首都バンギでは保健省が国内で活動する複数の援助団体を集めて会議を開き、NGO団体「飢餓に対する行動(ACF)」とMSFは7月初旬に住民の栄養状態について簡易検査を行いました。その結果、重度栄養失調の割合が20%以上という非常に憂慮すべき事態が明らかとなりました。

この数字がカルノー郡全体にあてはまるわけではないとはいえ、重度栄養失調の割合は非常に懸念されるレベルにありました。この危機的状況はマンベレ・カデイ州全域に広がっていると考えられ、現在、カルノー近隣の郡でも援助活動が行われています。

Q. カルノーに到着した時の様子は?

A. 私たちは7月22日の夜にカルノーに到着しました。現地で何が調達できるかわからなかったため、栄養治療食、ミルク、医薬品、そしてテントなどの物資を持参しました。入院および通院治療で、およそ72人の子どもの受け入れができる設備を準備しました。

到着すると病院スタッフがあたたかく迎えてくれ、みな安心した様子に見えました。私たちは翌日から活動を始め、ロジスティシャン(物資調達管理調整員)が子どもたちの入院施設を設営し、医師は患者の診察を始め、そして私は関係当局を訪問して回りました。その際、私は、町中のほとんどの店が閉まり、ほぼゴーストタウンのようになっている様子を目の当たりにしました。

私たちは現地入りする前にこの地方についての情報を集め、ダイヤモンドの採掘や取引が激減しており、その産地であるカルノーは厳しい経済状況に直面していることは耳にしていました。町を通ると、その状況はすぐにわかりました。かつて栄えた時期があったとしても、現在その面影は全くありません。町と病院は完全に見捨てられた雰囲気でした。

Q. 病院での活動はどのように始めたのですか?

A. 病院には既に、家族に付き添われた42人の重度栄養失調児がいました。全員を診察したところ、半数近くの子どもは自宅治療が可能で、入院は必要ないことがわかりました。

入院が必要な子どもには集中栄養治療センターを設置しました。初日から、診察や入院の件数は増加。8月1日からは、改めてカルノーと農村地域で栄養状態の調査を行いました。

その結果、カルノーでは急性の重度栄養失調の割合が約10%でしたが、近隣の村々ではこれよりもずっと低い数値でした。現在、栄養調査と併せて過去にさかのぼった死亡率調査と食糧確保についての評価を行っています。

Q. 市民は自分たちの置かれている状況についてどのように語っていますか?

A. どこに行っても、人びとは真っ先に世界的経済危機とダイヤモンドの価格暴落による経済的な困難を口にします。カルノーでは多くの住民がダイヤモンドの採掘によって収入を得ていましたが、昨年末に多数の買い付け会社が閉鎖されたこと、そして今年1月に入ってさらに状況が悪化したことから、人びとは農業を行うようになっています。

この地方で主に栽培されているのはキャッサバで、豆、カボチャ、ピーナッツその他の作物を栽培して収穫の幅を広げる手立てがある人はほとんどいません。採掘が盛んに行われていた時期には、キャッサバや野菜など、たくさんの食物が他の地方から持ち込まれていました。しかし今や市場は地元産のキャッサバであふれ、販売価格は暴落しています。

現在、住民の食糧は主にキャッサバとゆでた葉だけという、非常に限られた内容になっています。市場で売られている肉は手の届く値段ではなく、油などの不可欠な食品もとても高価です。そのため、経済危機の影響を受けた世帯で食糧確保が大きな問題となっていることは確かです。

Q. こうした栄養状態の悪化には、ほかにも原因がありますか?

A. 今年は例年より1ヵ月遅く、6月に雨季が始まりました。女性たちは、5月がとても乾燥していたため農作物に悪影響が出たと言っています。現在、各家庭にはキャッサバ以外の食糧備蓄がほとんどありません。年頭にピーナッツとトウモロコシを植えることができたた人びとは、8月に収穫がありましたが。 

もう1つ問題なのが牧畜です。この地方にはほとんど家畜がいません。たとえば卵はいつも簡単に入手できるわけではなく、あったとしても、とても高価です。しかし、以前は肉は人びとの食生活の一部だったようです。

通常、乾季にはフラニ族の人びとがこの地方に放牧に来ていましたが、カルノー周辺の道路沿いに盗賊が出没するようになったため、2007年以降はやめてしまいました。こうした治安の悪化に、人びとは大変苦しめられたようです。盗賊の蛮行を逃れて、農村地域の多くの住民がカルノーへと避難し、それ以来戻ることができていません。


8月末現在、カルノーの栄養治療プログラムで受け入れた重度栄養失調児の数は530人近くにのぼり、そのうち190人以上が入院している。当初の受け入れ施設に加えて、8月後半には3ヵ所の通院治療センターを新たに開設した。

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