アフリカ西部の洪水:MSFはブルキナファソとニジェールで緊急対応
2009年09月11日掲載
アフリカ西部を襲った洪水により、国連の推定では約60万人が被災、死者は159人に達した。国境なき医師団(MSF)はブルキナファソおよびニジェールで活動していたチームを補強し、各国保健省と共同で、避難した人びとへの医療援助を実施している。
大洪水は9月1日に発生した。ブルキナファソの首都ワガドゥグではこの日、12時間のうちに、この国の年間降雨量の4分の1に相当する263ミリの雨が降った。洪水により2万4000軒の家が破壊され、住民の10分の1にあたる15万人が避難した。

ブルキナファソの首都ワガドゥグでは、12時間の
うちに、この国の年間降雨量の4分の1に相当する
の雨が降った。
同日、ニジェールのアガデスの町でも、3500軒の家が破壊され、2万8000人が避難した。両国で活動していたMSFチームは被災地に急行して、援助ニーズの調査を開始。避難した人びとが必要な医療を確実に受けられるよう、また現地の病院が業務を続けられるよう、保健省と協力しつつ、活動を始めている。
ブルキナファソにおけるMSFの活動責任者モハメド・モルシッドは次のように語る。「ブルキナファソ政府は、ワガドゥグの状況に迅速かつ大規模に対応しています。これは記録的に大規模な洪水です。過去数十年を振り返っても、このような大洪水はなかったと人びとは言っています。
しかし状況は壊滅的というわけではありません。被災者の多くは親戚や知人の家に避難場所を見つけ、1万人あまりが学校や、保健センターなどに身を寄せています。食糧や基本的な生活物資の支給もあります。保健省は既に避難者の集中する地域で診療活動を開始し、被災者は無料でかかることができます。しかしカバーされていない地域もあり、医薬品も不足しています。
こうした中でのMSFの役割は、再び医療体制が整うまでの間、常に必要とされる医療を支えるために、物資や人を迅速に提供することです。」
5つの医療チームが、首都内のボゴドゴとブルミウグの2地区で移動診療を実施し、被災者の診療を行っている。「傷口に感染をおこしている患者を見かけます。水位が上昇する中、家財を守ろうとして傷を負ったのです。また多くの人が下痢に苦しんでいます。これは明らかに洪水による衛生状態の悪化が原因です。マラリアや呼吸器感染症、皮膚病といった普段からみられる病気もあります。」とモハメドは話す。
MSFチームは被災者にせっけんを配布し、平行して、飲料水の調達状況や、衛生状態の調査を実施している。また複数の地域で、簡易トイレやシャワー設備の設置を急ぎ進めている。

MSFはブルキナファソとニジェールで活動していた
チームを補強し、各国保健省と共同で医療援助を
行っている。
首都の中核病院であるヤルガド病院も罹災し、透析部門や外傷部門の機能が停止した。MSFは、小児患者の緊急入院の受け入れを拡大するため、ボゴドゴ地区病院にテント病棟を2棟設置した。また、避難地区に設置された保健省の診療所には医薬品を提供した。
一方、隣国ニジェールのアガデスでも、MSFは移動診療、2000世帯分の生活必需物資の配給、一時避難所となっている学校での簡易トイレの設置などを進めている。
西アフリカでは6月から9月が雨季にあたり、しばしば洪水が発生する。2年前にも地域全体で300人の死者と80万人の避難者を生む洪水があった。今年は特にシエラレオネにおいて死者数が突出して増加した。(地域全体で159人のうち、シエラレオネで103人。)
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