中央アフリカ共和国:南西部における栄養治療プログラムの拡大
2009年09月08日掲載

国境なき医師団(MSF)は最近、中央アフリカ共和国の南西部で複数の栄養治療プログラムを開始した。3週間で620人近くの子どもを受け入れたが、そのうち90%以上は重度の栄養失調だった。
20%近くの子どもが栄養失調の兆候
今年6月、国内南西部の医療機関に栄養失調の患者が殺到したことを受けて、現地の保健当局がいくつかの援助団体に援助を要請した。住民の栄養状態について簡易検査を行った結果、当初の懸念が裏付けられ、一部の地域では20%近くの子どもが栄養失調の兆候を示していた。MSFは子どもを対象とした栄養治療プログラムを開始することを決めた。
3週間で640人近い栄養失調児を受け入れ

ボカランガの栄養治療プログラムの一環で、手を
洗っているところ。
7月23日、MSFは最初のプログラムを国内南西部に位置するダイヤモンドの産地カルノー市で開始した。病院内に栄養治療ユニットを設け、開設から約3週間後の8月17日までに420人近くの栄養失調児を受け入れた。今後は自宅治療が可能な子どもたちのため、同市内および郊外の3ヵ所に通院治療センターを開設する予定である。
しかし、栄養状態の悪化はカルノー市外にも広がっている。8月3日、別のMSFチームが首都バンギの西に位置するボダで栄養治療プログラムを開始した。最初の患者受け入れから約2週間後となる現在、合計で220人の重度栄養失調児をプログラムに受け入れてきた。ボダに設けた最も重症の患者に対応するユニットのほかにも、この地方に6ヵ所の通院治療センターを開設した。
調査と新たなプログラムの開始

ボカランガの栄養治療センターで栄養失調の
子どもを診察するMSFスタッフ。
現在、この地方の他の市においても栄養状態の調査を行っている。医療チームがノラ市に赴き、まもなくプログラムを開始する予定である。同様に、カメルーンとの国境に近い南西部のガンボーラ市でも簡易栄養調査を実施中であり、プログラムの開始を検討している。
このように栄養状態が懸念される事態に陥ったのには、いくつかの要因があると考えられる。中央アフリカ共和国の南西部はダイヤモンドの産地である。しかし、ダイヤモンド業界もここ数ヵ月来危機に瀕しており、閉鎖を余儀なくされた買い付け会社も出ており、多くの世帯の家計が直接影響を受けた。こうした景気の低迷に加えて、もともと人びとが医療を受けられる機会が少ないこと(この状況が経済危機でさらに悪化した)、雨季である現在はマラリアのピーク期にあたること、そして極めて貧しい食生活、といった、この地方が抱える慢性的な諸問題もまた、事態の背景にある。
MSFは1997年以降、中央アフリカ共和国で活動を続けている。北西部のパウア、ボカランガ、バタンガフォ、カボでは、医療チームが反政府武装勢力と政府軍との紛争や盗賊の被害に遭った人びとの治療にあたっている。
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