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【難民特集】私にとって「難民・避難民」とは... ―田村美里、助産師―
2009年06月03日掲載
難民・国内避難民への援助にかかわることは、彼らの持つ人としてのさまざまな面に触れることでもあります。MSF日本から、世界各地の難民・避難民援助の現場に派遣されたスタッフに、援助活動の現場で抱いた思いを聞きました。以下は、コンゴ民主共和国、チャドなどで助産師として活動した、田村美里さんへのインタビューです。

チャドで活動中
Q: 難民・避難民となった人びとと接するなかで、自分自身が「助けられている」と感じたことはありますか?
難民・避難民に関係した活動としては、コンゴ民主共和国の国内避難民キャンプと、 チャドにあるスーダン・ダルフールからの難民キャンプでの援助活動を経験しました。チャドでは現地採用のスタッフは全員スーダンからの難民でしたし、コンゴでも避難民キャンプに住んでいたスタッフも少なくなかったので、私にとって彼らは一緒に活動をしている仲間でした。つまりは、私たちの活動になくてはならない人たちでもあったわけです。キャンプ内で何かあれば、それについての情報をくれるのも彼らですし、問題解決も彼らの協力なしにはやっていけないです。
Q: 難民・避難民となった人びとに援助を提供するなかで、ほっとしたこと、楽しかったことはありますか?
チャドのスーダン人スタッフは、いつも明るくてまじめで、一緒に働いている時は、彼らが難民であるということを完全に忘れてしまうほどでした。診療所内の産科病棟では、ほぼ毎日のように誰か彼かが、お茶やキャンディなどのスウィーツを持って現れたりしていました。時にはほかほかの昼食まで出てきて、仕事が一段落した時に全員そろって食べたのは、とってもいい思い出です。1つのお皿をみんなで囲んで右手で食べるなんて、そうそうあることじゃないです。

チャドに避難してきたスーダン人スタッフとともに
Q: どんな時に、難民・避難民となった人びとの深い悲しみや絶望を感じましたか?
彼らが自ら進んで「辛い」とか「悲しい」とか語ってくることはなかったです。時々、時間のある時に聞くと、逃げてきた時のことを淡々と語ってくれましたが、そのことを受け入れることができていて、「大変だったけど、それはそれ。今は今」と、逃げてきたことに対する悲しさというよりは、前向きな気持ちと力強さを感じました。
Q: 一言でいうと、「難民・避難民」とは、どのような人びとだと思いますか?
人間の強さ、優しさを、本当に感じさせる人たち。どんな環境であっても生きていく強さを持った人たち。
Q: 他に、難民・避難民への援助活動のなかで、強く印象に残っていることはありますか?
難民と聞くと「かわいそうな人たち」と思いがちです。確かに、自分たちの国や町にいられない状況になって逃げてきたという意味では、気の毒な背景を持った人たちですが、 だからといっていつまでも「自分はかわいそう」と悲嘆にくれているわけではないのです。 彼らは常に前向き!です。だからキャンプ内で仕事を見つけて働くし、自治活動もあれば市場もできるし、子どももたくさん生まれています(悲嘆にくれていたら、妊娠するでしょうか?)。そういった意味で、彼らは私に元気をくれたし、私はキャンプ内の活動が好きです。
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