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ブルキナファソ:恒常的栄養失調への挑戦

2009年03月24日掲載

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国境なき医師団(MSF)が2007年9月にブルキナファソで栄養失調治療プログラムを立ち上げて以来、2万3440人を超える子どもが治療を受けており、治癒率は88%にのぼる。子どもたちの約80%が、そのまま食べられ、その家族が容易に与えることのできる栄養治療食を用いた在宅治療を受けている。


MSFのブルキナファソにおける活動の統括責任者、ジャン=リュック・アングラードは語る。「プログラムの現場を訪れた時、ブルキナファソ人の医師たちは私に、MSFとの活動を始めるまで国内に栄養失調児がこれほど多いとは知らなかった、と話していました。」しかし、MSFが2007年9月に栄養治療プログラムを開始したヤコとティタオ周辺の農村部では、栄養失調は風土病と化している。毎年、きわめて重要な成長過程にある5才未満の子どもの多くが、成長に欠かせない栄養素の不足に陥っている。重度の栄養失調は一年を通じて見られるが、最も多くの子どもたちが陥るのは、次の収穫期までに家庭の食糧備蓄が底をつく毎年9月初旬以降にあたるハンガーギャップ(端境期の飢餓)の時期である。MSFはパッソレ県とロルム県において、公衆衛生上の深刻な問題でありながらほとんど表面化していない、この恒常的栄養失調の治療に取り組んでいる。

アングラードはこう述べている。「こうした状況への対処法を変えるために不可欠なステップは、世論の認識を得ることです。現在、ブルキナファソにおける栄養失調危機の深刻度は、次第に国内で知られるようになってきています。」

治癒率88%

2007年初頭、ブルキナファソ保健省は、重度の栄養失調の治療に世界保健機関(WHO)が推奨する新たな手順を採用することにより、一歩前進を示した。そのまま食べられる栄養治療食(RUF)を使用した通院治療というこの新たな治療手順(囲み記事1参照)の実施に関して、MSFは保健当局に対し、特に栄養失調の深刻な地域における協力を申し出た。2007年9月以降、2万3440人を超える子どもたちがMSFのプログラムで治療を受け、治癒率は88%に達している。アングラードは強調する。「RUFを用いた通院治療によって、大半の患者が在宅治療を受けられるようになっています。」2008年9月のピーク時には、MSFはパッソレ県とロルム県で毎週平均600人の子どもを治療した。

栄養失調の症例発見法の向上

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ブルキナファソでは、MSFは栄養失調児の受け入れ手順をより簡略にするために上腕周囲径測定帯(MUAC)を用いている。扱いやすいMUACを利用することで、高価な機器や高度な能力を有したスタッフに頼らず、短時間で多くの栄養失調児を見つけ出すことができる。その簡便さのおかげで、村落単位でスクリーニングを行う地域保健員の育成が可能なのである。

医学的見地からは、MUACは子どもの死亡危険度を測る良い指標であることが科学的に証明されている。子どもを栄養治療プログラムに受け入れるかどうかの判断基準となる上腕の太さの限界値は通常110mmだが、ブルキナファソでは、MSFは120mm未満の子どもを全員受け入れている。この革新的なアプローチによって、重度の栄養失調の子どもだけでなく、中程度の栄養失調児の一部も治療を受けられる。

将来を見据えて

アングラードはこう説明する。「私たちのプログラムでは、主に5才未満の子どもたちに治療を行っています。5才未満の子どもは栄養失調の影響を最も受けやすいためです。栄養失調はあまりにも多くの子どもたちの隠れた死因となっていますが、これは一般にはほとんど知られていない事実です。幼い子どもの食事にはあらゆる必須栄養素が適量含まれていることが必要です。不足すれば感染症に繰り返しかかり、死に至る危険が高まるのです。」

ブルキナファソと同様の状況にある複数の地域では、ハンガーギャップの全期間を通じて栄養補助食品を予防的に配布した結果、非常に有望な結果が得られている。2006年にニジェールで行われた治療用RUFの予防的配布に関する最近の調査では、重度の栄養失調に陥る子どもの数が58%減少したことが明らかになった。2007年にはニジェールの同じ地域で、栄養補助のために特別に作られた食品を配布する戦略を導入し、その結果対象、同地域における栄養失調のピークは低く保たれた。

アングラードは語る。「栄養失調は医療上の緊急事態であり、来年の同時期にも多数の患者が出ることはすでにわかっています。そうであるならば、どうしてじっと待つ代わりに、予防しようとしないのでしょうか。早期治療の戦略は私たちのプログラムにおけるひとつの発展の形であり、2009年にも実施するべく検討しています。」


在宅治療―簡便性から、より多くの子どもの治療が可能に

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ブルキナファソでは、MSFの栄養治療プログラムに受け入れられた子どもたちの80%が在宅治療のみを受けている。合併症を発症していない子どもたちは、毎週1週間分のRUF14袋を配布される。ピーナッツをベースとした栄養価の高いこのペースト状食品には、動物性タンパク質(牛乳)、ビタミン、ミネラルなど幼い子どもの成長に不可欠なすべての必須栄養素とカロリーが含まれている。この食品を摂取することにより、子どもたちは数週間で体重が増加し、全般的な健康状態も急速に改善する。もうひとつの長所は、自宅で患者の家族が与えられるという点である。回復するまでの最短4週間の間、子どもたちはロルム県およびパッソレ県にある17にのぼるMSFの通院治療センターのひとつに週一回通って診察を受け、体重と健康状態の変化を確認し、1週間分のRUFを受け取る。

このシステムでは、より深刻な症例、すなわち食欲不振や、栄養失調に関連したマラリア(最も多い病気)、貧血、低血糖症、下痢、肺感染症などの病気を発症した子どものみ入院措置を取っている。このような子どもたちのために、MSFはティタオおよびヤコの2ヵ所で入院施設を運営している(ベッド数はそれぞれ80床と60床)。

マラリア

ブルキナファソでは、マラリアの罹患率が非常に高い。MSFの栄養治療プログラムに受け入れた患者のうち、65%から70%が感染している。一年の流行のピークを迎えた2008年末の数ヵ月間で、MSFは栄養失調の症状の有無にかかわらずすべての子ども、および成人に対するマラリア治療を実施した。10週間で合計1万794人の子どもが治療を受けた。

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