ジンバブエ:コレラの大流行に対するMSFの活動状況-1月21日現在-
2009年01月22日掲載
概要
これまでの報告でも述べた通り、ジンバブエにおけるコレラの流行は次第に農村部へと拡大している。症例は多くの場所で発生しており、わずか数件という所もあれば、毎週、確実に症例数の大幅な増加が報告されている地域もある。農村部での流行によく見られるように、今回も援助活動の開始前に多数の死者が出ている。懸念されることは、こうした農村地域の多くがこれから流行のピークを迎えるということである。
首都ハラレでの患者数は減少し続けているものの、ハラレや同じく都市部のカドマでは依然として多くの症例が発生している。これまでにごく僅かしかみられなかった、または全くみられなかった地域でもコレラの症例が発生していることは、大きな懸念材料である。郊外地域では衛生サービスの欠如という問題が改善されておらず、昨年11月と12月のように、再び症例が増加する結果が生じかねない。
コレラの症例は近隣諸国でも発生しており、国境なき医師団(MSF)は必要に応じて対応している。こうした症例は通常のコレラ流行期によるものであり、ジンバブエでの大流行とは関係がないと考えられている。

MSFのコレラ治療スタッフ。
各地での活動状況
ビキタ地区
今回の大流行が発生して以降MSFが活動している農村部では、1月の2週目に症例数が900件を超えて過去最高を記録したが、死亡率は高くない。現在最も懸念されている地域は、マスビンゴ州とマニカランド州の間に位置するビキタ地区である。MSFは各チームを小グループに分け、新たな症例を発見できるよう可能な限り多くの現地調査を行っている。21人の外国人派遣スタッフが現場で新たな症例の発見やコレラ治療ユニット(CTU)の監督を行っている。先週は新たに6ヵ所のCTUを開設した。流行が発生して以来、チームは50を超えるCTUを設置している。
ベイトブリッジ町では、緊急対応チームの外国人派遣スタッフ1人が、通常の医療プログラムに携わるチームの支援にあたっている。やはり農村部での症例数が増加しており、北マタベレランド州を含むこうした地域の状況を見守るため、チームの増員を予定している。チェグツ町に関してはプログラム終了が計画されており、このチームの一部は発症例が報告されているザンビアに移って活動を行う予定である。
首都およびその近郊
首都ハラレとその近郊に設置した3ヵ所のコレラ治療センター(CTC)での症例数は、先週は約600件と週を追うごとに減少しているが、市内各地の経口補水ポイントにおける症例数は増加傾向にあり、先週は550件近くに達した。これらの症例の約半数は点滴治療が必要な重症である。また、このチームは、新たな症例が確認されたハラレとその近郊の人口密集地域数ヵ所で、バケツの塩素消毒処理や衛生推進プログラムなどの予防措置を開始している。
同チームはこの他に農村部での活動も拡大している。現在、マショナランド東部州、マショナランド中央州、ミッドランズ州/マショナランド西部州において、調査と即時対応、および監視を行う2つの移動診療チームが活動しており、必要に応じて農村部および都市周辺地域において技術面や物資運搬面での支援や物資、スタッフの提供を行っている。またジンバブエ保健省が設置し、稼働している非常に小規模のCTUを多数確認しており、これらのCTCの運営を週に1度確認していく予定である。また、今週末までには第3のチームを編成し、活動を開始させる。道路状況の不備に加えて地域によっては豪雨という条件も重なり、各チームは援助を必要とする人びとのもとへのアクセスという難題に絶えず直面している。
近隣各国の状況
マラウイ
1月第3週に人口200万人の首都リロングウェで202件の症例が報告され、第2週には115件の症例が報告されている。合計で症例は686件、死者は25人となった。これは2001年に6千以上の症例とともに起こった大規模なコレラ発生以来のものである。最初の症例は11月にマラウイ共和国ブランタイヤ市で報告され、それからジンバブエに来た。症例数はクリスマスの直前に増加し始めた。前回コレラが発生した際にはそのピークが発生から第5週~11週の間にきたため、症例数が上がりきる時期はこれからであるとみられている。激しい雨がリロングウェに影響を与えており、疾病がさらに蔓延する可能性がある。ジンバブエ保健省はリロングウェに11軒のCTUを新たに設けた。MSFはこれらの病院の運営を改善し、患者の隔離が間違いなく行われるように、支援を行っている。ジンバブエの南における状況は現在のところはよい。マラウイにおけるコレラはジンバブエから来ているのではなく、例年みられる雨季の間のコレラ流行の結果である。
モザンビーク
1月の第1周以来800件以上のコレラ症例が報告されているが、例年この時期には珍しいことではない。症例はテテ州、マニカ州およびマプト市で発見されている。MSFは調査チームを派遣して、ナンプラ州で調査を行っている。
南アフリカ
ジンバブエから国境を越えて広がってきていたコレラの状況は手に負える範囲内になっているが、多くの人びとは今も休暇から南アフリカに戻りつつあるため、突然症例が増加する可能性も残っている。
ザンビア
MSFは、2008年10月のコレラ発生から1月21日現在に至るまで首都ルサカで857件の症例を確認した。しかし、1月に入ってから状況は劇的に悪化した。これを受けて、MSFは首都ルサカにCTCを建設し、緊急対応ユニットのメンバー5人が現地チームに加わった。更なる人員と物資が今後数日で到着する予定である。
関連情報
- 2009年7月13日
- ジンバブエ:この国からエイズをなくしたい ─自らもHIV/エイズとともに生きる看護助手の物語
- 2009年5月8日
- ジンバブエ:医療制度の崩壊-もはや対処しきれない状況-
- 2009年3月13日
- ジンバブエ:戸外に寝かされるコレラ患者ら
- 2009年3月10日
- ジンバブエ:コレラの惨禍─ある看護師の体験
- 2009年2月18日
- ジンバブエ:コレラ流行に対するMSFの活動状況 ─ 2月16日現在 ─















