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チェチェン:地震被災地での対応

2008年10月23日掲載

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10月11日午後、北コーカサス地方で地震が発生した。地元当局によると、今回の地震は同地方で過去30年間に起きた地震のうち、最も破壊的であったという。地震の震源地で、かつ最大の破壊を被り、最多の犠牲者を出したのはチェチェン共和国であった。震源地周辺の集落では家々の壁や屋根が崩壊し、13人が死亡した。地震は同共和国の首都グロズヌイから東に40km、グデルメスの町から15kmの地点で発生した。100人以上が負傷、数十人が近くのグデルメス病院に入院した。

同共和国の保健当局が、負傷者に対する緊急医療援助を行った。国境なき医師団(MSF)もまた、犠牲者やその家族が精神的打撃に対処できるよう、10月11日、同地域においてMSFが通常行っているプログラムにとって不可欠な存在である心理療法士を2名、グデルメス病院に派遣した。

地震が起きて3日間、依然として余震が起きており、グデルメスとクルチャロエ地区の最も被害の大きい村々の住民のほとんどは、自分たちの家に入るのを恐れ、屋外で夜を過ごしている。地震後かろうじて立っている多くの家々はひどい損傷を受けており、壁や屋根にはひびが入っている。クルチャロエの町の病院は同地区の住民にとって中心的な拠点病院であるが、今回の地震で崩壊した。最も被害が大きいのはメイルタップ村で、少なくとも1万1千人の住民が暮らしている。予報によれば、北コーカサス地方で地震活動は今後も続く見込みだ。

「とてつもない災害が起きてしまったという感覚があります。何十年もの間、これほどの規模の災害が起きた記憶が無く、人びとはおびえています。」とチェチェン人医師でMSFの移動診療所の責任者であるメアベック・アブドゥラエフは語る。「依然として多くの余震が起きており、調査を行っている間も地面が揺れるのを感じました。誰一人として自分たちの家に入ろうとしません。人びとは屋外にテントを建て、ベッドを出して一晩中屋外で過ごせるよう火をたいています。」

多くの場所において、MSFは最初に現地に到着して人びとのニーズの調査を開始した団体である。最も被害の大きい5つの場所、メイルタップ、バシ=ユート、下および上ノイベラとオイスクハラで、5つの移動医療チームが援助活動を行った。それぞれの場所で医療用テントが張られ、1つのテントでは療法士と小児科医、看護師から成るチームが、もう1つのテントでは心理療法士が人びとの医療ニーズに応えるため、診察を行っている。

活動を始めて最初の2日間で562件の診察が行われ、398人が心理的なカウンセリングを受けた(グループ及び個人診察を含む)。ほとんどの患者が高血圧や心血管異常、心身症などのストレス関連の症状を訴えている。

「最初の日に、私たちの移動診察チームは人口3千人の村である下ノイベラだけで130件の診察を行いました。」と、前述のメアベック医師は話す。「私たちチームの医師は、少なくも65人の風邪をひいた子どもたちを診察しました。彼らは路上で数夜を過ごしていたので、健康診断のために診療所に連れてこられたのです。」

MSFはまた、毛布やストーブなどの援助物資のニーズを判定するため、調査を行う。初期調査では飲料水が十分入手できないことが判明したこともあり、同チームは地域における飲料水の供給と水道蛇口を徹底的に調べることになっている。

今回の地震は周辺のイングーシ、ダゲスタン、カバルダ・バルカルおよびオセチア共和国でもより弱い震度で感じられたものの、損傷は無かった。


MSFは1990年代初めからロシアで活動を行っている。チェチェンの人びとに対しては、1994年のロシアからの分離独立戦争以来、医療と人道的援助を行っている。戦後のチェチェンで、MSFは同国首都であるグロズヌイ内やその周辺、隣接するイングーシ共和国で暮らしている避難民のために移動診療所を運営している。また、グロズヌイの地元総合病院の建物を再建し、無料の薬局を立ち上げた。MSFは母子および女性向けの医療プログラムを運営し、地元の助産院を支援している。ほとんどのプログラムに心理ケアの要素が含まれている。MSFはチェチェンに住む全ての人びとを対象に結核治療を提供している。グロズヌイの第9病院では、過去の暴動が原因の負傷の治療を手助けするため、神経外科、外傷、集中治療棟を支援しているほか、再建外科治療プログラムを自ら運営している。

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