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ブルンジにおけるACT治療 -医療コーディネーターへのインタビュー-

2007年05月02日掲載

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「全体として、ブルンジにおけるアルテミシニン誘導体と他の抗マラリア薬の併用療法(ACT)の実施は順調です。ACTは国が承認したマラリアの第一選択治療であり、広範に利用することができます。」 国境なき医師団(MSF)のブルンジにおける医療コーディネーター、リア・テマーマンは語る。

しかしブルンジの状況は例外的である。マラリアが風土病となっている国の大半では、ACTの提供は遅々として進んでいない。

Q. マラリア治療を実施しているブルンジでのMSFのプログラムについて説明して下さい。
A. 私はブルンジの2つの州でプログラムを手がけています。カヤンガ(Kayanga)州のムセマ(musema)では、MSFは病院1ヵ所と診療所3ヵ所を支援しており、ルイギ(Ruiygy)州にあるキニンヤ(Kinyinya)では病院で診療を行い、周辺地域にある診療所7ヵ所の支援を行っています。MSFは内戦中の1992年に、ブルンジにおける活動を開始しました。その当時、キニンヤなどの病院は機能していませんでした。それでも活動開始当初から、私たちはマラリアの治療を始めました。マラリアはこの国では風土病となっており、診察を受ける人たちの半数がこの病気の患者だったからです。
Q. マラリアには複数の種類がありますが、ブルンジで最も多いのはどれですか?
A. この国におけるマラリア発症の90%を占める、最も一般的な原因は熱帯熱マラリア原虫によるものです。これは最も危険な種類、つまり致命的なマラリアです。治療を受けないと脳マラリアの発症へとつながるため、患者は死に至ります。
Q. 一般的な症状はどのようなものですか?
A. 高熱、体の痛み、頭痛が一般的な症状です。合併症を伴うマラリア患者には嘔吐も見られます。先に述べた通り、熱帯熱マラリアは重症化して脳マラリアへとつながる可能性があります。そうなると患者は昏睡状態に陥ります。

 

Q. ブルンジでは6年前にマラリアが流行しましたね。
A. 2000年11月から2001年3月までの間、この国ではマラリアが大流行し、非常に高い死亡率を示しました。当時はまだクロロキンとファンシダールを用いて治療していましたが、マラリアのこれらの薬剤に対する耐性は非常に強く、治療はほとんど効果がありませんでした。そのため多くの人びとがこの流行の間に命を落としたのです。
Q. この結果を受けて、効果のない薬の投与が中止されました。
A. 調査を行った結果、クロロキンによる治療の失敗は51%から74%、ファンシダールでは9%から49%と判明しました。2003年末までに、政府はマラリアの治療方針をACT、つまりアルテミシニン誘導体と他の抗マラリア薬を併用する療法に切り替え、第二選択薬をキニーネに変更しました。
Q. ACTの特徴は何ですか?
A. アルテミシニン誘導体と他の抗マラリア薬の併用療法とは、その名の通り2種類の薬の混合薬です。中国の薬草から抽出されたアーテスネートなどのアルテミシニン誘導体と、ブルンジで用いられているアモジアキンのような抗マラリア薬を利用します。アーテスネートは新薬であり、アモジアキンも耐性が少ないことから、この混合薬は今後の薬剤耐性を防ぐための一助となり得ます。ACTは3日間という短期治療の利点を持ち、副作用もあまりないことが分かっています。
Q. ACTはブルンジでは錠剤の形でのみ利用可能です。患者が嘔吐を伴う合併症にかかった場合、どのように対処できるのでしょうか?
A. 患者が嘔吐を催す場合、ブルンジでは第二選択薬となっているキニーネの静脈注射を用います*。患者がこの治療を受けるには、入院する必要があります。キニーネはまた、生後6ヵ月未満の子どもや妊娠第一期の女性向けの第一選択薬としても用いられています。

 

Q. ブルンジにおけるACT治療は、どのように実施されていますか?
A. MSFは3年以上前から、ブルンジや他の国でACT治療の実施を促進する活動を行ってきました。2003年11月から、ブルンジではACTが公式にマラリア治療の第一選択治療となり、広範に利用可能となっています。診療所では、投薬の中断や医薬品の配達が遅れるなど、調達上の問題がまだ多少ありますが、改善されつつあります。しかし、未だにACTを信頼しない人もいますし、飲むと吐き気がするという苦情を言う人もいます。アモジアキンには吐き気を催させる可能性があります。
現在、MSFが活動を行っているブルンジ国内の病院では、合併症を伴う患者や重症のマラリア患者の数が減少してきています。つまり、診療所できちんとした治療を受ける人が増えているということです。昨年からは、妊婦と5才未満の子どもは無料で医療ケアが受けられるようになりました。彼らは最もマラリアに感染しやすい人びとです。これらの患者は、合併症を発症する前に早めに診療所で受診することができるようになりました。しかし、その他の患者は、診療所でも病院でも一律200ブルンジ・フラン(約240円)を支払わなければなりません。ブルンジでは人口の大半が一日あたり1000ブルンジ・フラン(約1200円)未満で生活している現状を考慮すると、かなりの金額です。
Q. マラリア予防のために何ができますか?
A. もちろん予防に勝る治療はありません。試みは行われていますが、予防は容易ではありません。マラリアは依然としてこの国で最も一般的な、死に至る病気となっています。MSFは以下の3点で予防に取り組んでいます。まず、MSFが支援する診療所で、妊婦全員に殺虫剤を染み込ませた蚊帳を配布しています。病院では、5才未満のマラリア患者の子どもが退院するときに蚊帳を配布しています。
次に、衛生教育に取り組んでいます。マラリア予防のために何をすべきか、たとえば家の敷地内や周囲の草を刈り取ること、マラリアの媒介虫である蚊が繁殖するよどんだ水に近づかないことなどを説明しています。また、マラリアとはどのような病気か、どのように感染するかについて人びとに知識を与え、病気になったら伝統的な治療法を使わず、診療所に行く必要があると説明しています。
最後に、診療所で薬を受け取る患者がきちんと飲み方を理解するようにしています。毎月、MSFのチームは支援している診療所を巡回し、現地の医療チームが患者に正しい薬の飲み方を伝えているかどうか確認しています。

*重症のマラリアはアルテメーターの筋肉注射による治療が望ましいが、ブルンジではまだ国家の治療方針に含まれていない。

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