コンゴ民主共和国:ねむり病対策プロジェクトを開始
2004年10月05日掲載
国境なき医師団(MSF)は8月、コンゴ民主共和国東部州にて、ねむり病対策プロジェクトを開始した。イサンギ(Isangi)で実施するこのプロジェクトは、人口に占めるねむり病患者の割合を現在の6.8%から今後2年間で0.1%以下に引き下げることを狙いとする。加えてこのプロジェクトでは、新たな治療法の臨床試験も予定されており、成功すれば世界中の患者への治療が劇的に改善することになる。
ねむり病は、アフリカトリパノソーマとしても知られており、ツェツェバエを介して伝染する寄生虫病である。感染すると治療を受けなければ死の危険にさらされる。MSFの医療コーディネーターMieke Steenssensは、「潜伏期間は最大3週間で、寄生虫が脳に到達するまでに2年かかることもあります。夜に躁状態になり、昼間には眠気が襲うというのが有名な症状で、そのためねむり病と呼ばれます。最後には、昏睡状態に陥り死に至ります」と説明する。
イサンギ地方におけるねむり病の拡がりは、MSFが2003年に同地方で行った緊急援助活動の際に明らかになった。検査した3,044人のうち、207人の感染が判明した。この時医療チームが寄生虫対策のために提供したハエ取り紙によって、3万3千匹以上のハエが捕まった。
今回のプロジェクトの目的は、イサンギ周辺の2つの地域で10万人を検査することである。感染率に関する予測が正しければ、5千人が治療を必要としていることになる。
コンゴ保健省と協力して実施されるこのプロジェクトはまた、寄生虫が既に脳に達しているという深刻な症例の治療を改善するための重要な機会ももたらすことになる。その主要な目的は、患者にとってより効果的で危険性の低い治療の臨床試験を行うことである。
Steenssensは、「現在使用されている治療薬は50年以上も前に開発されたヒ素をベースにした混合薬で、その強い毒性による死亡率は10%にもなります。新しい治療法がこれに取って変わるかもしれません」と述べた。
このプロジェクトには更に、地理上の難点もある。イサンギには行くには、キサンガニからコンゴ川を5時間ボートに乗らなければならない。Steenssensは、「今後2年間は多くの困難に直面するでしょうが、イサンギのみならず、コンゴ全体、その他の地域のねむり病患者にとっても、このプロジェクトが持つ可能性は非常に大きなものとなるのです」と締めくくった。
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