国境なき医師団の活動を支援してくださっている皆さまへ

2018年01月01日掲載

新年明けましておめでとうございます。国境なき医師団(MSF)を代表しまして、日本の皆さまに新年のごあいさつを申し上げます。旧年中に賜りましたご支援に心より御礼申し上げますとともに、本年が皆さまにとって健康に満ちた年となりますようにお祈り申し上げます。

MSFの緊急・医療人道援助は、皆さまの支援で成り立っています。旧年中は70以上の国・地域で患者を治療し、既存・新規を合わせて計数百件の緊急事態に対応することができました。

一例を申し上げますと、コンゴ民主共和国では100万人を超える子どもにはしかの予防接種を実施しました。これはMSFが旧年中に行った集団予防接種の中でも最大規模でした。この国のカサイ地方は現在、情勢不安と紛争で多くの人が避難する事態となっています。MSFは国内避難民が抱えるさまざまな医療ニーズに対応しています。

コンゴに限らず世界各地で、数百万人が避難生活を強いられています。その多くは安息の地を求めて国境を越えています。MSFはさまざまな状況で、こうした人びとを治療してきました。その活動地はパリやメキシコシティの路上から、南スーダンとウガンダの国境近くに設置された難民居住地にまで及びます。

地中海を渡る移民・難民など保護希望者を捜索・救助する活動も続けています。一方、各国がそうした人びとに対して国境を閉ざしたことから、移動の中継地点となっているリビアで悲惨な影響が起きています。さらに、収容所に入れられた人びとの治療を通じて、収容所の生活環境がひどく、暴力と拷問が横行していることも把握しています。

ミャンマーからは、迫害されたロヒンギャが国境を越えてバングラデシュに脱出しました。60万人を超える人がわずか数週間のうちに到着し、既存のキャンプはあっという間に定員超過となりました。MSFは日本を含む各事務局からスタッフを派遣し、キャンプ内に診療所を設置。同時に移動診療も開始し、暴力と避難で心身ともにひどく傷ついた人びとに手を差し伸べました。避難してきた人びとがMSFに語った体験から、恐るべき暴力が計画的かつ組織的に実行されたことが明らかとなっています。

MSFは内戦が続くシリアイラクでも緊急援助を続けています。両国では軍事作戦による大規模な破壊行為で多くの人が医療を受けられなくなっています。また、生活環境は安全とはいえません。

イエメンでも同様の事態が続いています。医療体制は完全に崩壊してしまい、影響がすべての住民に及んでいます。子どもの栄養失調が流行していることに加え、旧年中は過去最大のコレラの集団発生にも直面しました。

悲しいことに、医療施設への攻撃も繰り返されました。MSFはこの問題について、旧年中も「病院を撃つな!」キャンペーンを展開し、1人でも多くの方に知っていただきたく情報発信を続けてまいりました。キャンペーンの署名には10万人近い方々が協力してくださいました。MSFはこれを日本政府に提出し、紛争下での病院・患者・医療従事者の保護について、日本がさらに大きな役割を果たすべきだと呼びかけました。

MSFは皆さまから、活動を続けるために必要な物心両面のお力をいただき、これまで以上に多くの患者さんを受け入れることができています。本年も皆さまと力をあわせ、MSFコミュニティを広げてまいります。必要な場所ならどこでも駆けつけ、必要とする人は誰でも受け入れ、中立・独立・公平の団体として医療・人道援助活動を拡充してまいります。

皆さまとこうした価値観を共有できることを名誉に思います。

国境なき医師団日本
会長 加藤寛幸
事務局長 ジェレミィ・ボダン

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