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パキスタン

活動の背景:風土病/伝染性疾患、社会的暴力/医療からの疎外、自然災害
活動スタッフ:475人

2007年、パキスタンにおける雨期の豪雨は、6月に南部を一掃したサイクロン「イェミィン」で頂点に達し、同国西部のバロチスタン州では洪水が発生し、多数の人びとが避難した。国境なき医師団(MSF)はパキスタン保健省の活動を補完する形で緊急援助活動を行った。

MSFは洪水発生後の数週間で、下痢や皮膚感染症などの基本的な症状の患者千人以上を治療し、トゥルバットとジャル・マグシの2地区に下痢の患者向けの診療所を設置した。また、安全な飲料水を提供するため、オルマラには水処理設備、パスニでは飲料水の消毒設備を設置した。さらに、ジャファラバード、ジャル・マグシ、ナシラバード、トゥルバットでは救援物資と医療物資を配布し、追加支援のため医師や看護師を派遣し、孤立した地域を対象に移動診療を行った。

北西辺境州における新プログラム

2006年10月、MSFは北西辺境州のマラカンド保護区で活動を開始した。アグラ病院やその他の医療施設で一次医療を提供し、特に妊婦の保健衛生に重点的に取り組むことが目的である。2007年7月までにアグラ病院で約2千件の診察を実施し、呼吸器感染症、外傷、慢性疾患などの患者104人が入院した。

政府直轄部族地域における医療提供

2006年3月以降、MSFは政府が直轄するクラム自治区のアリザイ病院にて毎月約千件の診察を行っている。このプログラムはその後活動範囲を拡張し、緊急産科治療や新生児のケアなどのリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)の支援をアリザイ病院とサッダ病院の両方で実施している。2007年3月に同自治区内で宗派間の武力衝突が勃発した際も、緊急医療援助や手術用具を提供し、避難民の世帯に食糧や毛布などの救援物資を配布するなどの援助活動を行った。

バロチスタン州のアフガニスタン人援助

バロチスタン州の州都クエッタのすぐ北に位置し、アフガニスタン難民の大規模な入植地であるクシュラックにおいて、MSFは地域の医療施設で医療を提供し、母子保健を支援している。ここでは毎月5千件以上の診察を行っている。2007年5月にはバロチスタン州のチャマン病院で、緊急産科治療や新生児ケアなどのリプロダクティブ・ヘルス分野の支援を行うプログラムを開始した。国境の町チャマンで政府が実施している医療サービスは、町の住民や農村部の人びと、アフガニスタン難民や隣接するアフガニスタンからやって来る患者に至るまで、幅広く利用されている。MSFは2007年5月に、ナシリバードとジャファラバードの両地域で栄養失調の子どもを対象に地域ベースで治療食の提供を開始した。7月までに150人以上の子どもが栄養治療食や栄養補助食を受け取っていた。

パキスタン地震関連の援助活動を終了

2005年10月、パキスタンの首都イスラマバードから約100km北の地点で地震が発生し、大規模な破壊を引き起こし推定で7万3千人が命を落とした。また約12万8千人が負傷し、3百万人以上が住む家を失った。MSFはこの地域での活動を拡大し、水・衛生活動、一次医療や心理ケア面での援助を行った。大半のプログラムは2006年末までに終了し、MSFによる地震関連のプログラムとしてはバーグ地区の仮設病院が唯一残っている。これも2007年末に現地当局に引き継ぐ予定である。

MSFは2000年からパキスタンでの活動を行っている。