ミャンマー
活動の背景:武力紛争、風土病/伝染性疾患、社会的暴力/医療からの疎外
活動スタッフ:1083人

ミャンマーで数百万人が体験している苦難に関してはほとんど注目されないままである。1962年以来軍事政権が支配し、国際制裁措置を受けているためにミャンマーは何十年も外部世界から隔離され続けている。医療へのアクセスは不足し、たとえ利用可能な医療サービスが存在したとしても人びとは費用を支払うことができない。
マラリア、栄養失調、結核、また性感染症が膨大な数の病気や死亡の原因となっていることを受け、国境なき医師団(MSF)はこの厳しい環境にいる患者に接触するための交渉を継続して行っており、また2006年には百万人以上の診察を行った。MSFは2006年から2007年にかけて、プログラムを首都ヤンゴン、タニンダーリ管区、カヤー州、カチン州、シャン州およびラカイン州で運営した。
MSFは、性産業従事者や麻薬使用者、移民が多い地域において、性感染症とHIV/エイズの予防、および治療に重点を置いた複数のプログラムを実施している。2006年には合計で9500人以上をHIV/エイズ治療プログラムに登録した。
HIV/エイズ患者は結核と二重感染していることが多いため、MSFは診療所において、HIV/エイズと結核の二重感染患者の特定と治療により大きな注意を払っている。2006年に、ヤンゴンにおけるHIV/エイズ治療プログラムでは11422人以上が結核の検査を受け、このうち4397人を結核治療に加えた。このプログラムでは性産業従事者をはじめとする性感染症患者にも治療を提供した。また、MSFはタニンダーリ管区のダウェイにおいて結核治療を含むHIV/エイズ治療プログラムを行っており、2006年に884人の患者が結核の治療を受けている。同様のプログラムをカチン州、シャン州、ラカイン州でも実施している。
マラリアはミャンマー全体に拡がっている。メェイには診療所3ヵ所と、船を利用して群島部の最も遠隔した地域にいる人びとの所に赴く流行監視体制をしき、2006年には17462人の治療を行っている。地理上の困難と悪化する内戦のために患者が特に放置されているカヤー州でもマラリアの治療を行った。MSFは同州において、移動診療および固定診療所を通じて内戦の直接・間接の被害者の医療ニーズに応える一次医療プログラムを開設した。
2006年には、ラカイン州において45万人以上の患者がマラリアの検査を受け、21万人以上が治療を受けている。これは、MSFが行う最大のマラリア治療プログラムであり、診断と治療に焦点を置き、診療所30ヵ所を支援し、移動診療を数ヵ所で実施している。
MSFは、ラカイン州において、少数派のイスラム教徒グループでありその市民権が争点となっているロヒンギャ族が受けている差別に対応し、医療ケアを無料で提供し、年間約5万人の治療を行っている。2006年には3千人以上の栄養失調児を支援する栄養治療プログラムも継続した。MSFは、ロヒンギャ族がさらに医療サービスを利用できるようにミャンマー政府に働きかけ、広報活動を通じてロヒンギャ族が直面している困難に関する認識を喚起している。
MSFは1992年からミャンマーでの活動を行っている。














