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アルメニア

活動の背景:風土病/伝染性疾患、社会的暴力・医療からの疎外
活動スタッフ:134人

かつてソビエト連邦の一部であった南コーカサス地方の極貧の内陸国、アルメニア共和国に住む人びとは、慢性的な財政難にある医療体制の影響にあえいでいる。結核は同国に蔓延する病気の一つであるが、ほとんどの地域では適切な治療が受けられず、正確な感染率も不明である。

国境なき医師団(MSF)は、アルメニアの首都エレバンにおいて、アルメニア保健省およびエレバン市役所と協力して活動を行う中で、患者の一部が薬剤耐性結核(DR-TB)に感染しているのを目にしている。MSFは保健省と共同で、エレバン郊外のアボビアンで同国で唯一のDR-TB治療を行っている。この地にある国立結核病院で、MSFはベッド数36床の入院病棟を改修した。

薬剤に耐性を持つ結核の治療は、高価かつ長期にわたり、激しい副作用のために患者が苦しむことも多く、困難である。2007年6月までに、MSFはのべ70人の患者をDR-B治療に受け入れた。患者はアボビアンでの数ヵ月にわたる入院期間中、最高で1日25錠の治療薬を服用し、退院後も18・1ヵ月間にわたり、エレバン市内の2地区にある診療所に通院する必要がある。このように煩雑な治療を少しでも楽にするために、MSFは患者を中心に据えた治療体制を採り入れ、個々の患者に合わせた服薬面での支援と社会的支援を行っている。MSFはさらにプログラムを拡大するために、現在エレバンの2地区で行っているDR-B治療の受け入れ範囲の調査も行っている。

心理ケア、一次医療、性感染症治療プログラムの引き継ぎ

アルメニアのMSFチームにとって、2006・007年はプログラム縮小の年であった。MSFは長年にわたりアルメニアの人びとを援助してきたが、現在多くの長期的なプログラムを引き継いでいる。2006年末には、アルメニア北東部のゲガルクニク地方で行っていた精神疾患の外来治療プログラムを、保健省と現地のNGO「ミッション・アルメニア」に移譲した。MSFは精神疾患についての偏見と闘いながら、不要な入院を減らす事を目的にこの非常に弱い立場にある人びと向けの代替治療体制を構築してきた。2007年1月には保健省が、同地区の最も貧しい人びとに対する一次医療の提供などのプログラムを引き継いだ。北部のシラク地方においては、MSFは、匿名かつ無料でHIV/エイズなどの性感染症の検査と治療を受けられるサービスを設立した。このプログラムは性感染症に対する知識を広め、予防のための注意を喚起する効果も上げてきており、2007年3月からは、現地の保健医療体制の管轄下で継続している。

MSFは1988年からアルメニアでの活動を行っている。